マインドフルネスの実践を続けると、病気にかかりにくくなるでしょうか?
アメリカ、ウィスコンシン大学のリチャード・デイビッドソン博士らによる実験を紹介します。
実験の方法
ある企業の従業員41名を次の2つのグループに分けて、実験に参加していただきました。どちらのグループに入るかは、ランダムに決めます。
「瞑想グループ」
- 8週間の瞑想プログラム(マインドフルネスストレス低減法プログラム :MBSR)に参加します。
- 脳波検査:プログラムに参加する前、終了した直後、それから終了後4か月の時点で脳波の検査をします。
- 血液検査:プログラム終了後、インフルエンザの予防接種を受け、抗体のレベルを調べるため、予防接種の3週間後、および5週間後に血液検査します。
「比較グループ」
- 8週間の瞑想プログラムには参加しません。
- 脳波検査と免疫力検査を、「瞑想グループ」と同じ時期に行います。
実験の結果
脳波の検査の結果、瞑想グループは、脳の一部(左側の前の方)の活動が比較グループに比べて活性化していました。別の実験から、免疫力が向上すると、 この部分が活性化することがわかっているそうです。
また、インフルエンザの抗体の数が、比較グループよりも瞑想グループの方が多かったそうです。このことからも、瞑想グループの方が免疫力が向上していることがわかります。
この論文では、瞑想トレーニングを行うと、免疫力が向上し、心身の健康も向上する可能性があると、結論づけています。
もう一つ、この実験からわかることは、このような瞑想トレーニングの効果は、8週間続ければ得ることができるということです。
この実験で使用された瞑想トレーニングは、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)といいます。マインドフルネスストレス低減法では、8週間の間、毎週1回、2-3時間のクラスに参加するするほか、毎日45分間の瞑想や日常生活での実践を行います。
もっと短い時間、短い期間でも、なんらかの瞑想の効果はあると思います。ただ、このように科学的な手法で計測できるような効果が出るまでには、ある程度継続して瞑想する必要があるということですね。
出典: Alterations in Brain and Immune Function Produced by Mindfulness Meditation
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