マインドフルネス瞑想によって脳の機能が変わるでしょうか?
この記事では、マインドフルネス瞑想によって、脳がどのように変わるのかを解説します。
生涯の瞑想時間と脳の変化の関係についての疑問にお答えします。
EQ (心の知能指数) の研究で有名なダニエル・ゴールマン博士がその著書 “Altered Traits” で、これまでの世界中での研究成果を簡潔にまとめています。1)“Altered Traits”, Daniel Goleman, etc.
ゴールドマン博士によると、瞑想が脳に及ぼす効果は、瞑想者の生涯の瞑想時間によって大まかに3つに分けられるとのことです。
瞑想者の種類 | 生涯の瞑想時間 |
---|---|
瞑想初心者 | 100時間まで |
長時間瞑想者 | 1,000時間以上 |
世界レベルの瞑想者 | 12,000時間以上 多年にわたるリトリートを含む |
瞑想初心者 (生涯の瞑想時間100時間まで)
瞑想の初心者であっても、一般的に以下のような効果が見られます。ただし、効果は限定的で、瞑想の習慣を続けないと失われてしまうそうです。
- ストレスに遭遇したときの扁桃体の反応が抑制される。
- 集中力が向上する。2週間の瞑想トレーニングにおいても、大学院入学試験の成績向上が見られた。
- 慈悲の瞑想を行うことで、脳内の共感に関する機能が強化される。
長時間瞑想者(1,000時間以上)
瞑想を日々の習慣として、これまで1,000時間以上瞑想してきた人には、瞑想初心者に見られる効果に加えて、次の効果が見られるとのことです。
- ストレス反応の低下と炎症の減少を示す脳内およびホルモンの指標。
- 苦痛をコントロールする前頭部の脳内回路の強化。
- ストレスホルモンのコルチゾールの分泌低下。
- 全般的なストレス反応の低下。
- 慈悲の瞑想の効果として、他者の苦痛への同調と具体的な援助活動の可能性の増大。
世界レベルの瞑想者(12,000時間以上)
チベット仏教の僧侶として長年瞑想修行を継続してきた人のように、生涯で12,000時間を超える瞑想を行った人には、より明確な脳の機能の変化が見られます。例えば、
- 脳の広い領域でガンマ波が見られる。オープン・プレゼンスや慈悲の瞑想のときにこれが顕著。特に瞑想時間が長い瞑想者の場合、休んでいるときにも見られる。
- 脳の老化が一般の人よりも遅い。
- 瞑想状態に入るのが早い。数秒のうちに瞑想状態に入ることができる。
- 苦痛が来ることがわかっていても不安を感じない。苦痛にはっきりと反応するが、苦痛が終わると回復が早い。
- 休んでいる時でも、脳の状態が一般人の瞑想しているときの状態に似ている。

まとめ
マインドフルネス瞑想の効果は、初心者でも得られますが、習慣として続けないとすぐに効果は失われてしまいます。その一方で、長く瞑想を続けている人は、続ければ続けるだけ、ストレスの低減などの脳の機能の変化が明らかになっていきます。
コメント