この記事は、Google で開発された人材開発プログラム SIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)で学ぶマインドフルネスについて説明します。
マインドフルネス瞑想の基本的な流れを知りたい、という方に有益な情報です。
マインドフルネスとは、「今、ここ」で起こっていることに意識を向けるということです。マインドフルネスを実践するための瞑想方法を「マインドフルネス瞑想」と言います。
マインドフルネス瞑想の基本的な流れとして、次のような図がわかりやすいと思います。 サーチ・インサイド・ユアセルフやMBSRといったマインドフルネス瞑想のプログラムでも、同じようなプロセスを学びます。

- 意識を呼吸に向け続ける
- 今、この瞬間に起こっている、「吸う息」や「吐く息」をありのままに観察します。例えば、お腹が膨らんだり縮んだりする様子、呼吸によって体の感覚がどの様に変化していくのかを観察します。
- 「今、ここ」で起こっていることであれば、呼吸以外のものでも構いません。たとえば、体全体の感覚、今聞こえている音、心で起こっている思考や感情でも構いません。
- 心がさまよい出す
- 同じことに注意を向けていると、心は退屈してきて、何か別のことを考え始めます。たとえば、既に終わったことをくよくよと考えていたり、自分を正当化しようとしていたり、将来のことを漫然と心配していたりします。
- しかも、心がさまよい出したことにしばらくの間、気が付きません。様々な思考が連鎖的に起こり、時間が過ぎていきます。
- 自然に起こることですから、頻繁に起こっても問題ありません。
- 意識が離れたことに気がつく
- 心がさまよいだして、しばらくたってから、「あ、呼吸を観察するつもりだったのに、いつの間にか、夕食のことを考えていた!」と、心がさまよいだしていたことに気が付きます。
- これは、意識が離れていたことに気づく、マインドフルなすばらしい瞬間です。このように気がつくようになることを、マインドフルネス瞑想で練習しているわけです。
- 意識を呼吸に戻す
- それまで考えていたことを受け入れて、もう一度、呼吸の感覚に意識を戻していきます。
- 何かの考えに囚われていたことに気づいた時点で、もうその考えに囚われていません。「私はこんなことが気になっていたんだ」といった、自分に対する優しい気持ちを持つと、意識を呼吸に戻しやすいです。
この流れについて、いくつか、注意事項です。
- この流れは、どのマインドフルネス瞑想にも当てはまるものです。たとえば、座る瞑想、歩く瞑想、食べる瞑想、ボディスキャン、マインドフルネスヨガなど。
- この流れはサイクルになっています。マインドフルネス瞑想の実践中、この流れが何十回、何百回と繰り返していきます。その過程で、「今、ここ」で起こっていることに意識を向けるという心の動作が繰り返し練習します。
- 心がさまよいだす回数が多かったり、その時間が長かったりすると、「自分は瞑想には向いていない」と残念な気持ちになりますが、そのような残念な気持ちや思考にとらわれていることにも、気がつくようにしましょう。瞑想の体験は、個人的なものですから、誰かと比べてどうなるものでもないです。また、「今、ここ」で起こっていることですから、過去の自分の瞑想体験と比べても意味がありません。自分への優しい気持ち(セルフコンパッション)が役に立ちます。
- 何かの考えや感情が繰り返し現れてくる場合は、その考えや感情を観察の対象としてみるといいでしょう。
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