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感情は身体に表れる

angerエモーショナルインテリジェンス

エモーショナルインテリジェンス講座では、自己認識のための知識として、「感情が身体に表れる」ということ学びます。

この記事では、「感情は身体に表れる」とはどういうことか、なぜ、そう言えるのか、という疑問にお答えします。

「感情は身体に表れる」とは

よく私達は、感情を身体の一部を使って説明します。たとえば、

  • 頭に来た!
  • 幸せに全身が包まれた!
  • 悲しみで胸が張り裂けそうになった。

怒り、幸せ、悲しみ、といった感情は、私達が進化の過程で身につけた生き残りのためのメカニズムです。外部や心の中の刺激に対する、生理的な反応なのです。

したがって、様々な感情は、身体の感覚と結びついています。

「感情が体に現れる」ことを具体的に示した興味深い実験がフィンランドで行われました。以下、その実験の概要を説明します。

実験の方法

  1. 701名の実験の参加者に、様々な感情を体験させます。
  2. それぞれの感情ごとに、自身の身体の活性化した部分、非活性化した部分をマークしてもらいます。
  3. 各人がマークした部分を集計し、ヒートマップを作ります。

実験の結果

実験の結果できたヒートマップが下の図です。

たとえば、上段の一番左の Anger (怒り)を感じているときは、顔、胸、手の感覚が活性化されているのがわかります。

また、上段中央の Happiness (幸福)は、顔や胸で強く感じていますが、体全体で感じていることがわかります。

またこの実験にはフィンランド人と台湾人が参加していましたが、人種や言語によって、ヒートマップの結果は変わらなかったとのことです。

この実験からわかること

身体の感覚を観察すれば感情に気づくことができる

感情に振り回されている時は、自分自身の感情に気づきにくいものですが、身体の感覚を観察することによって、自分の感情に気がつく可能性があることを、この実験は示しています。

気持ちが高ぶったり、混乱したりしているときには、体の感覚を観察してみるといいでしょう。そうすると、自分がどのような感情に振り回されているのか、観察することができます。

マインドフルネス瞑想を実践を続けると、自分自身の感情を観察しやすくなります。

自分だけが辛い思いをしているのではない

この実験から、人はみんな同じ様な感情を持っているということです。

人類(ホモ・サピエンス)は、約20万年前にアフリカで進化して、その後、世界中に広まったと考えられています。世界中の人は、肌の色や顔つきは違っていても、ほとんどの遺伝子を共有しており、基本的な身体や心の仕組みは同じなのです。

私達は、なにか辛いことがあったときに、「自分だけがこのようなつらい思いをしている」と思いがちですが、その感情はすべての人類と共有しているものなのです。こう考えると、辛い感情を感じているときも少し楽になるのではないでしょうか?

人間関係に関する感情が多い

もう一点、この実験からわかることは、私達が感じている多くの感情は、人間関係に関わっているということです。たとえば、実験で使われた以下のような感情です。

  • 嫌悪 (Disgust)
  • 愛情 (Love)
  • 軽蔑 (Contempt)
  • 誇り (Pride)
  • 恥 (Shame)
  • 妬み (Envy)

感情は、私達が進化の過程で発達させた、生き残りのためのメカニズムです。人間は、集団を作ることで生き残ってきたので、集団に所属して活動するために必要な感情が備わったのですね。

まとめ

エモーショナルインテリジェンスとは、自分や他人の感情を認識して、そこから重要な情報を得て、自分の考えや行動の指針とする能力のことです。自己認識、特に自分の感情を認識する能力は、エモーショナルインテリジェンスの基盤となる能力です。

自分の感情が体の感覚に現れるということを理解していると、自分の感情を観察しやすくなります。マインドフルネス瞑想は、体の感覚を通じて感情を認識するためのトレーニングとなります。


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