感情は身体に表れる

angerSIY

この記事では、Google が開発した人材育成プログラム SIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)で学ぶ「感情が身体に表れる」ということを示す実験について解説します。

「感情は身体に表れる」とはどういうことか、なぜ、そう言えるのか、という疑問にお答えします。

「感情は身体に表れる」とは

よく私達は、感情を身体の一部を使って説明します。たとえば、

  • 頭に来た!
  • 幸せに全身が包まれた!
  • 悲しみで胸が張り裂けそうになった。

怒り、幸せ、悲しみ、といった感情は、私達が進化の過程で身につけた生き残りのためのメカニズムです。外部や心の中の刺激に対する、生理的な反応なのです。

したがって、様々な感情は、身体の感覚と結びついています。

このことを具体的に調べた興味深い実験がフィンランドで行われました。ここではその実験の概要を説明します。1)https://www.pnas.org/content/111/2/646

実験の方法

  1. 701名の実験の参加者に、様々な感情を体験してもらいます。
  2. それぞれの感情ごとに、身体の活性化した部分、非活性化した部分をマークしてもらいます。
  3. 各人がマークした部分を集計し、ヒートマップを作ります。

実験の結果

実験の結果できたヒートマップが下の図です。

たとえば、上段の一番左の Anger (怒り)を感じているときは、顔、胸、手の感覚が活性化されているのがわかります。

また、上段中央の Happiness (幸福)は、顔や胸で強く感じていますが、体全体で感じていることがわかります。

またこの実験にはフィンランド人と台湾人が参加していましたが、人種や言語によって、ヒートマップの結果は変わらなかったとのことです。

この実験からわかること

身体の感覚を観察すれば感情に気づくことができる

感情に振り回されている時は、自分の感情に気づきにくいものですが、身体の感覚を観察することによって、自分の感情に気がつく可能性があることを、この実験は示しています。

ボディスキャンマインドフルヨガを通じて体の感覚を感じるトレーニングをすると、感情にも気が付きやすくなります。

つまり、「感情」も、「手足の感覚「や「呼吸の感覚」と同じように、観察の対象にすることができます。感情は、脳や身体で起こっている現象であって、自分自身から距離をおいて、観察することができるということですね。

自分だけが辛い思いをしているのではない

もう一つ、この実験からわかることは、人類はみんな同じ様な感情を持っているということです。

人類(ホモ・サピエンス)は、約20万年前にアフリカで進化して、その後、世界中に広まったと考えられています。世界中の人は、肌の色や顔つきは違っていても、ほとんどの遺伝子を共有しており、基本的な身体や心の仕組みは同じなのです。

私達は、なにか辛いことがあったときに、「自分だけがこのようなつらい思いをしている」と思いがちですが、その感情はすべての人類と共有しているものなのです。こう考えると、少し楽になるでしょうか?

人間関係に関する感情が多い

もう一点、この実験からわかることは、私達が感じている多くの感情は、人間関係に関わっているということです。

  • 嫌悪 (Disgust)
  • 愛情 (Love)
  • 軽蔑 (Contempt)
  • 誇り (Pride)
  • 恥 (Shame)
  • 妬み (Envy)

感情は、生き残りのためのメカニズムです。人間は、集団を作ることで生き残ってきたので、進化の結果、集団に所属して活動するために必要な感情が備わったのですね。

Google が開発した人材育成プログラム SIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)では、マインドフルネス瞑想やエモーショナル・インテリジェンスの効果を、脳科学の観点から説明しています。この研究についても、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」のプログラムの中で紹介されています。


Google で開発された人材育成プログラム SIY(サーチ・インサイドユアセルフ)は、

  • エモーショナル・インテリジェンスによる理論
  • 脳科学による裏付け
  • マインドフルネスによる実践

に基づいて、参加者のエモーショナル・インテリジェンスの5つの要素を育成します。

  • 自己認識
  • 自己管理
  • モチベーション
  • 共感力
  • リーダーシップ

これによって、個人レベル、および組織レベルのリーダーシップ・生産性・幸福を向上します。

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