マインドフルネスの実践方法として、座る瞑想や歩く瞑想、ボディスキャンなどがありますが、日常生活で普段やっていることでもマインドフルネスを実践することができます。今日は、私が特に気に入っている「マインドフル歯磨き」をご紹介します。
なぜ「マインドフル歯磨き」なのか?
歯磨きは、マインドフルネスの実践に適していると思います。以下、その理由です。
- 体の感覚を感じることができる。
- 毎日、決まった時間にする。
- やり方の手順が決まっている。
歯や歯茎は食べ物の硬さや食感を感じるため、とても敏感に感覚を感じる部分です。歯磨きは、この歯や歯茎の感覚を観察するのに適しています。また、歯磨きは、決まった時間に決まった手順でやるので、毎日の習慣として実践するのに適しています。
風呂、シャワー、掃除、洗濯、トイレなども同じ理由でマインドフルネスの実践に向いていますが、特に歯磨きは、上の3つの条件に適していると思います。
「マインドフル歯磨き」のやり方
私のマインドフル歯磨きの手順、以下のとおりです。
- まず、歯の一つ一つに番号をつけます。たとえば、私の歯は、左上に7個ありますが、歯科医がやるのと同じ方法で、左上の前歯から奥歯に向けて順番に1番、2番、3番、・・・7番と番号をつけます。
- 左上の一番奥の歯、「7番」の歯と歯茎の間を磨きます。このときの歯と歯茎の感覚を観察します。同様に、6番、5番と続き、1番まで、歯と歯茎の間を磨きます。
- 次に、 同じ左上の前歯の1番から順番に7番まで、歯の表面を磨きます。それぞれの歯と歯茎の感覚を観察します。
- 次に、同じ 左上の奥歯の7番から順番に1番まで、歯の裏側を磨きます。それぞれの歯と歯茎の感覚を観察します。
- 同様に、右上の歯を磨きます。
- 同様に、左下の歯を磨きます。
- 同様に、右下の歯を磨きます。
朝、歯を磨くときには鏡を見て、それぞれの番号の歯の感覚がどんな感覚なのかを確認しながら磨きます。夜、歯を磨くときは、湯船に浸かりながら、鏡を見ないで、同じ手順で歯を磨いて、今何番の歯を磨いているのか、歯と歯茎の感覚で感じます。
最初のうちは、それぞれの歯の区別がつきにくいですが、毎日やっているうちに、それぞれの番号の歯の感覚が区別できるようになっていきます。左右の下の歯の裏側を磨くときに4番と5番の区別をつけるのが一番難しいです。
力をかけすぎたり磨きすぎたりして歯や歯茎を傷つけないように、歯の感覚、歯茎の感覚に注意を集中します。
この歯磨きの過程で、様々な思考や感情が起こってきて、歯磨きが上の空にることが度々起こります。その都度、優しい気持ちでその考えていたことに気がついて、その考えを手放します。そうしてもう一度、歯と歯茎に意識を戻して歯磨きを続けます。「ええっと、今何番を磨いていたんだっけ?」という感じです。
歯磨き粉は、歯ブラシの上に たっぷりつけて、歯を磨いたあとに口をすすぎません。これは歯磨き粉に含まれるフッ素を歯の表面に残すためで、イエテボリ・テクニックと呼ばれているそうです。NHKで紹介されていました。やってみるとそれほど違和感はありません。
実際にやってみると
マインドフル歯磨きをやってみると、歯磨きの間に、さまざまな考えや感情が心に浮かんでくることがわかります。考えや感情の引き金になるのは、とても些細なことです。そのときに目に入った壁の模様や聞こえてきた音が、関連のあることを思い起こさせます。考えや感情が起こると、それが別の考えや感情の引き金になります。
その時の体調や心の状態によっては、歯磨きの間中、考えや感情に囚えられてしまっていることもあります。マインドフル歯磨きができなかったときは、残念な気持ちになりますが、そのような気持ちも客観的に観察します。
一つ一つの歯を区別できたときは、嬉しい気持ちになります。歯の一つ一つに親しみが湧いてきて、いたわってあげたいという気持ちも起こります。このようなポジティブな気持ちも観察対象です。
皆さんも、是非、マインドフル歯磨き、試してみてください。
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