G-LWGX0D5F1Z エモーショナルインテリジェンスを企業で取り入れた例

エモーショナルインテリジェンスを企業で取り入れた例

アドバイザーエモーショナルインテリジェンス

この記事では、エモーショナルインテリジェンスとは何か、どのような会社が採用しているのか、という疑問にお答えします。

エモーショナルインテリジェンスとは

エモーショナルインテリジェンス とは、「自分や周りの人の感情を理解して、そこから得られた情報を自分の行動や考え方に活用する」という能力のことです。知能の高さを示すIQに対して、EQと呼ばれることもあります。

Google が開発した2日間のトレーニングプログラムSIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)では、このエモーショナルインテリジェンスが取り入れられています。

ここでは、エモーショナルインテリジェンスを社員研修に取り入れた別の例として、アメリカン・エクスプレス・ファイナンシャル・アドバイザー (AEFA) 社を取り上げた記事を紹介します。

導入のきっかけ

AEFA社では、お客様担当の「アドバイザー」という職種の社員が様々な金融商品をお客様にご案内していました。ところが、様々な金融商品のうち、生命保険の販売が不調でした。

保険商品担当の副社長の指示により、原因調査と対策のための4名のプロジェクトチームが営業部門内に結成されました。プロジェクトチームには50万ドルの当初予算と自由裁量が与えられました。

プロジェクトチームが外部の専門家を入れて原因を調査したところ、生命保険の商品そのものに問題があるわけではなくて、お客様に金融商品をご案内する担当者 (アドバイザー)の感情面の問題が販売不振の原因であることがわかりました。

アドバイザー達は、お客様に生命保険をお薦めすることに不快感を持っていたのです。中には、罪悪感や羞恥心を持つ者もいました。これが積極的な 生命保険の販売を阻んでいました。

このアドバイザー達の感情面の問題を克服することが、生命保険の売上を伸ばすための最も重要な課題であると認識されました。

パイロット・プログラム

プロジェクトチームは、この対策として、エモーショナルインテリジェンスの理論を取り入れたトレーニングプログラムを試験的に導入してみることを提案しました。この提案は、すぐ承認されました。

パイロット・プログラムでは、アドバイザーに次のスキルを習得させます。

  • 自らの感情的な反応に気がつくこと
  • この感情的な反応に適切に対応すること

具体的な方法として、自分の感情を言葉にしてリストアップし、ネガティブな思考の流れに気がつくことによって、ポジティブなものに変えていく練習をします。

このパイロット・プログラムの結果は良好でした。パイロット・プログラムに参加したアドバイザーの売上は、参加しなかったアドバイザーの売上を上回りました。

この結果、このパイロット・プログラムは、すべてのアドバイザーに適用されることになりました。

失敗と改善

その後、アドバイザーを統括するマネージャー向けのプログラムが開発されて、パイロット・プログラムとして実施されますが、これは評判が悪くて大失敗でした。

参加者から次のようなコメントが多くあったそうです。

  • プログラムの内容が、ビジネスの実態に即していない。
  • 心理学の講義をしている時間が長い。

この結果を受けて、プロジェクトチームは講師を入れ替えて、内容もビジネスプロセスに即したものに変更します。その結果、このマネージャー向けプログラムも社内の人気コースとなり、社外に向けて販売するまでになったそうです。

成功の要因

その後、 AEFA社 のエモーショナルインテリジェンスのトレーニングコースは、職種に合わせていくつかのバージョンが開発されることになります。新任アドバイザー向け、ベテランアドバイザー向け、新任マネージャー向け、地域統括マネージャー向け、本社管理部門向け、などです。

これらのトレーニングの効果により、年間2億ドル以上の増収が見込まれている、とのことです。

エモーショナルインテリジェンスに基づくトレーニングコースがこの会社で成功した要因として、記事では、次のことを挙げています。

  • ビジネス上の要請に基づいてプログラムを提供したこと
  • 強力なエグゼクティブ・スポンサーがいたこと
  • 高いレベルの自由裁量と予算をプロジェクトチームに与え、新しい試みをさせたこと
  • プログラムは、学術的な研究結果をベースとしたこと
  • プログラムが高い品質で実施されるようにモニターしたこと
  • 組織全体にプログラムを提供したこと
  • プログラムを実施するチームがエモーショナルインテリジェンスを発揮したこと

まとめ

人の感情は実は重要で、私達の思考や行動に大きな影響を与えています。自分の感情や他人の感情を認識し、そこから重要な情報を汲み取って、自分の思考や行動の指針にする能力のことをエモーショナルインテリジェンスといいます。

この記事では、エモーショナルインテリジェンスの訓練を取り入れた企業の例を紹介しました。導入の仕方や、成功の要因など、参考になると思います。


この記事を書いた人
しげき

1963年生まれ。大阪市出身。京都大学法学部卒。KDDIやマイクロソフトなど、30年以上、IT業界で営業・マーケティングを担当した。
2007年からマインドフルネス瞑想を継続して実践する。
2018年にセミリタイアし、マインドフルネスの講師となる。MBSR 認定講師。

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