この記事では、Google で開発された人材開発プログラム SIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)で学ぶ内容を解説します。
安静にしている時に心がさまよいだしていろいろなことを考える状態「デフォルトモードネットワーク」とは何か、という疑問にお答えします。
デフォルトモードネットワークとは
「安静にしている時に、心がぼんやりとしていて、いろいろなことをつらつらと考えている状態を「デフォルトモードネットワーク」と言います。何もしていないデフォルト状態で働いている脳のネットワーク、という意味です。マインドワンダリング(心がさまようこと)とも、オートパイロットモード、とも呼ばれます。
マインドフルネス瞑想で、呼吸や体の感覚を観察していると、いつの間にか、心がさまよい出して、「デフォルトモードネットワーク」の状態になってしまいます。
マインドフルネス瞑想では、心がさまよい出して考え事を始めたら、そのことに気がついて呼吸や体の感覚に意識を戻していくように指導されます。
この「デフォルトモードネットワーク」とは、そもそも何なのでしょうか?
デフォルトモードネットワークの特徴
マイケル・コーバリス博士の著書「意識と無意識のあいだ」によると、「デフォルトモードネットワーク」には、次の特徴があるそうです。
- 何も作業していないにもかかわらず、脳は活発に活動している。脳内の血流量は作業中のときと比べて、5-10% 少ないだけ。
- 脳内の広い領域が活動している。
- この状態が意識されている場合と、無意識のうちに起きている場合とがある。
- ある調査によると、平均的な人は、起きている時間の46.7% がデフォルトモードネットワークの状態にある。
「デフォルトモードネットワーク」の状態のときは、楽しいことを考えているときでも、不幸なのだそうです。
このように効率が悪くなり、しかも人を不幸にするような「デフォルトモードネットワーク」は一体なんのためにあるのでしょうか?

なぜ、「デフォルトモードネットワーク」になるのか
コーバリス博士によると、「デフォルトモードネットワーク」も進化の中で獲得された機能なのだそうです。
つまり、子孫を残すためには、「デフォルトモードネットワーク」があった方が有利だったということです。
コーバリス博士によると、
- 複雑な世界で生き抜くためには、将来のあるべき姿を思い描いたり、過去の失敗を悔やんだりすることが必要だった。
- 他者の心を理解して社会性を獲得するために、「デフォルトモードネットワーク」があったほうが有効だった。
- 「デフォルトネットワーク」により心がさまようことは、創造性やイノベーションの源泉だった。

「デフォルトモードネットワーク」は、私達の遺伝子の中に組み込まれています。
好む、好まないにかかわらず、「デフォルトモードネットワーク」からは逃れることはできません。
では、私達はどうすればよいでしょうか?
さまよう心への対処について
「デフォルトモードネットワーク」によって心がさまようことを防ぐことはできません。「デフォルトモードネットワーク」は、記憶を整理したり、新しいことを思いついたりするのに役に立っているので、無理に止める必要もありません。
ただし、集中する必要があるとき、あるいは、ネガティブな思考や感情に支配されているときには、自分の意志で「デフォルトモードネットワーク」から抜け出せるようにしましょう。
そのためには、マインドフルネス瞑想の中で、自分の心がいつの間にか、さまよっていたことに気がついて、呼吸などの感覚の観察に戻ってくる練習を重ねることが有効です。
心がいつの間にかさまよって「デフォルトモードネットワーク」になっていたことに気がついたときには、そのような自分の心に優しい気持ちと好奇心を持って、接してあげましょう。これも、マインドフルネスの練習の一部です。

Google で開発された人材育成プログラム SIY(サーチ・インサイドユアセルフ)は、
- エモーショナル・インテリジェンスによる理論
- 脳科学による裏付け
- マインドフルネスによる実践
に基づいて、参加者のエモーショナル・インテリジェンスの5つの要素を育成します。
- 自己認識
- 自己管理
- モチベーション
- 共感力
- リーダーシップ
これによって、個人レベル、および組織レベルのリーダーシップ・生産性・幸福を向上します。
SIY の企業での導入に関しては、まず、1時間程度の無料のパイロットプログラムをお試しください。詳細は下のリンクをご参照下さい。
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