食べる瞑想

食べる瞑想とは?

「食べる瞑想」は、マインドフルネス瞑想の方法の一つです。食べ物を五感で感じることによって、「今、ここ」で起こっていることに注意を向けます。

「食べる瞑想」は、今までマインドフルネスをまったくやったことがない人でも、簡単に試してみることができます。マインドフルネス瞑想の最初のきっかけとしてとても便利な瞑想法です。

マインドフルネスストレス低減法 (MBSR) のプログラムでは、最初のクラスで、この「食べる瞑想」の練習をします。

食べる瞑想の効果

マインドフルネス瞑想の入り口として最適

マインドフルネス瞑想には、「今、ここ」で起こっていることに注意を向けることによって、過去や未来のことで思い悩むストレスを軽減する、という効果があります。

食べるという行為は、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚の五感のすべてを使います。「今、ここ」で起こっていることを観察するのに適しています。

たいていの人は、食べ物や食べることが好きなので、「食べる瞑想」は、マインドフルネス瞑想の入り口として最適です。

ダイエットの効果

私自身、もともと太る体質で、以前は体重の管理が大変だったのですが、日常生活で食べる瞑想を意識するようになってから、学生時代の体重に戻って、太らなくなりました。

食べる瞑想を日常生活に取り入れると、ゆっくりと味わって食べるようになるので、少ない分量でも満足できるようになります。

また、自分の食欲や、食べ過ぎたときの後悔、といった気持ちも観察の対象になります。これが無意識のうちに食べ過ぎてしまうことを防いでくれます。

ダイエットの効果については、マインドフルネスダイエットの記事もご参照ください。

食べ物がおいしくなる

普段、私たちは食事をするときに、食べ物を十分に味わっていないと感じます。

たとえば、食べ物が口の中に入ったばかりなのに、次に口に入れるものを箸でつまんでいたり、しゃべりながら食べていたり、スマホや新聞を見ながら、テレビを見ながら食べたりしてしまいます。

食べる瞑想を実践すれば、食べ物の色、形、におい、音、歯ざわりや触感、味、その微妙な変化に深い感銘を受けることでしょう。

特に野菜や魚などの自然の素材を使った日本の伝統的な料理は、とても味わい深いです。日本食は特に食べる瞑想に適していると思います。

食べる瞑想の方法

食べる瞑想には、「レーズン・エクササイズ」と呼ばれるレーズンを使った最初の練習と、日常の食事での練習があります。

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レーズン・エクササイズのテキストガイダンス

  1.  まず、干しブドウを2粒用意します。チョコレートなど、干しブドウに類するお菓子や食べ物でも構いません。
  2.  一粒目を手に取って、ゆっくりと時間をかけて、五感を使って観察します。
    •  まず、自分の目でできるだけ詳しく観察します。まるで、火星人が地球にやってきて初めて干しブドウを見た時のように新鮮な気持ちで、初めて見る「物体」として扱います。表面のしわとか、色とか、光の反射具合などを観察します。
    • 同じように、人差し指と親指でつまんで、指で触った感覚を観察します。
    • 耳の近くにもっていって音を観察します。耳の近くに持ってきて指で転がすと、かすかに音がするかもしれません。音が聞こえない時は、音が聞こえないことを観察します。
    • においをかいで、匂いを観察します。
    • 唇に乗せて、唇の感覚で観察します。
    • 口の中に入れて、舌の上にのせて、その味を観察します。
    • 歯の間に乗せて、噛まずに歯の感触で観察します。
    • 噛んで、物体の内容物の味を観察します。
    • 飲み込みます。胃の方に物体が流れていく感覚を観察します。
  3.  この過程で、様々な考えや感情が心の中に起こってきたら、その考えや感情も観察します。たとえば、「もっとたくさん口の中に入れたい」、とか、「もっと早く噛みたい」とか。そして、また、五感を通じた感覚の観察に戻ります。
  4. 一粒目を食べ終わったら、その時の体の状態と心の状態を観察します。
  5.  残ったもう一粒も同じ要領で五感を通じて観察します。

レーズンエキササイズのビデオガイダンス

レーズンエクササイズの方法は、こちらのビデオもご参照ください。

日常生活での食べる瞑想

レーズン・エクササイズで学んだ食べる瞑想を日常生活でも取り入れましょう。

すべての食べ物をレーズン・エクササイズと同じようにやっていると、時間がかかりすぎますし、家族と会話ができないかもしれません。自分の生活で可能な範囲で、食べる瞑想を取り入れてみましょう。たとえば、最初の一口か、二口だけでも、五感を通じて食べ物を観察してみます。以下、その要領です。

  • 食べる前に、食べ物をよく見て、よく観察します。
  • 音やにおいを観察します。
  • 箸を通じた手や、唇、歯の触覚を使って観察します。
  • 味や風味を観察します。
  • 食べ物がのどから胃に降りていく感覚を観察します。
  • 「もっと早く食べたい」、「もっとたくさん口にいれたい」といった感情が起こってきたら、そのような感情もありのままに観察します。
  • 無意識のうちに食べすぎてしまって、後悔したら、そのような後悔する気持ちもありのままに観察します。

まとめ

食べる瞑想は、五感のすべてを使って、しかも誰でも興味をもっている対象物を観察するので、他のマインドフルネス瞑想よりも初心者によって取り組みやすいと思います。

食べる瞑想を含めて、マインドフルネス瞑想を習得するには、8週間のマインドフルネスストレス低減法(MBSR) のコースに参加されることをお勧めします。

日本で参加可能なマインドフルネスストレス低減法(MBSR) のコース

コメント

  1. 安田千恵子 より:

    ヴィパッサナー瞑想を実践しているものです。瞑想は宗教とは直接には関係ないとはいえ、世界の多くの瞑想センターでは菜食が基準となっています。瞑想を続けてゆくと、生命や存在について感覚や考えが深まり、菜食に行き着くところがあります。瞑想の究極を考えると、食べる瞑想の写真に、菜食とはほど遠い寿司を使うのはいかがなものかと思います。不快な感じを持ったことを、コメントさせていただきます。

    • しげまる より:

      コメントありがとうございます。写真に寿司の写真を使われていることで不快な思いをされたとのこと、配慮が足りず、申し訳ありませんでした。
      サイトの写真は菜食の方でも受け入れられそうなものに差し替えておきました。