公平な人には共感し、不公平な人には復讐したくなる

fairnessサーチ・インサイド・ユアセルフ

共感とは、他の人が感じていることを自分も感じることです。また、そうすることによって、人と人とのつながりをとのつながりを感じることでもあります。

共感力は、人間に生まれつき備わった能力です。人間は集団で生活してきたので、進化の過程でこのような能力が備わってきたのでしょう。

この共感は、社会的な条件の影響を受けます。例えば、公平な人には共感を感じやすく、不公平な人には共感を感じにくいそうです。ただし、男女間で違いがあるそうです。

ここでは、Tania Singer 博士等が行った実験を紹介します。

Tania Singer 博士

実験の方法

  1. 実験の各参加者は、まず、次の心理ゲームをして、「公平な人」と「不公平な人」を一人づつ認識してもらいます。ゲームに使われるチップは後で換金されます。
    • 参加者は、1個から10個までのチップをゲームの相手の一人に渡します。相手はその3倍のチップをもらいます。
    • 次に、その相手から1個から10個までのチップをもらいます。自分もその3倍のチップをもらいます。
    • 以上を繰り返します。
    • それぞれの参加者は、このゲームを二人の相手と行います。二人のうち一人はゲームの中で参加者を公平に扱います。つまり、たくさんチップを渡したら、たくさん返してくれます。もうひとりの相手は参加者を不公平に扱います。たくさんチップを渡しても、少ししか返してくれません。
  2. 次に、参加者は、MRI装置を装着し、左右に先のゲームで判明した「公平な人」と「不公平な人」が座ります。参加者には、鏡を通じて、自身を含めて3人の右手が見えています。3人の右手には、「軽い電気ショック」と「強い電気ショック」が順番に加えられて、その都度、参加者の脳がどのように反応したかを測定します。
  3. 次に、参加者にアンケートをします。「公平な人」、「不公平な人」にそれぞれ共感を感じたかどうか、復讐したくなったかどうか、などです。

実験の結果

この実験の結果は、次のとおりです。

  • 公平な人には、共感を感じやすい: 公平な人が電気ショックを受けているときには、脳の痛みを共感する部分が強く反応していることがMRIで観察できました。
  • 不公平な人には、共感を感じにくい: 同不公平な人が電子ショックを受けているときでも、脳の痛みを共感する部分は、あまり反応しません。この傾向は女性よりも男性に顕著であるとのことです。
  • 不公平な人には、復讐したくなる(男性のみ): 不公平な人が電気ショックを受けているときは、脳の「報酬プロセス」に関わる部分が反応します。これは、復讐したくなっていることを表しています。ただし、この反応は男性のみに見られた反応で、女性には見られなかったそうです。

この実験からわかること

まず、他の人から共感を得るためには、公平な態度で接する必要があるということですね。

不公平な扱いをすると、その人から共感は得られないし、特に相手が男性の場合は、復讐されてしまうことがあるかもしれません。

このことは、職場の生産性にも関係がありそうです。

Google の社内調査 (プロジェクト・アリストテレス) でも、生産性の高いチームは、「心理的な安全性」が高いチームであることがわかっています。チームの生産性を上げるためにも、公平に人を扱うことを通じて、チームの中の共感を向上することが重要ですね。

「共感力」は、Google で開発された人材育成プログラム、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」でも重要なテーマです。サーチ・インサイド・ユアセルフについては、下のリンクをご参照ください。

サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)とは?


出典: https://www.nature.com/articles/nature04271

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