マインドフルネスは、「今、ここ」で起こっていることに注意を向けて、ストレスを減らしたり、集中力を高めたりする方法です。
テレビや書籍でマインドフルネスに関する情報を見て試してみたものの、なかなかマインドフルネスの習慣が身につかないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
たとえば、
- テレビ番組でマインドフルネスの特集があり、3分間の瞑想を試してみるととても気持ちよかったので続けたいが、自分一人ではなかなかやる気にならない。
- マインドフルネスの書籍を読んで、その仕組みはわかったが、実際の生活では役に立っていない。
- マインドフルネス瞑想を毎日続けているが、その効果が感じられない。
マインドフルネスの習慣が続かない原因
必要に迫られていない
私が10年前にマインドフルネス瞑想を始めたときは、ストレスでぼろぼろでした。マインドフルネス以外にストレスに対処する方法がなく、藁にもすがる思いでマインドフルネスに取り組んだのでした。
マインドフルネスの習慣が続かない人は、特に大きなストレスを感じておらず、そもそもマインドフルネスの実践を続ける理由がないのかもしれません。
一人だけでやっている
私も最初にマインドフルネスを始めたときは、何冊か書籍を読んで、音声ガイダンスを聞きながら一人で始めたのでした。
それでもある程度のストレス低減効果はあったと思います。しかし、マインドフルネスの効果を実感するようになったのは、瞑想会やリトリートに参加してからでした。他の人と一緒にマインドフルネス瞑想をすると、強い意識をもって瞑想に取り組むことができ、瞑想も深くなります。
マインドフルネス瞑想は、普段は一人で実践するものですが、習慣化するためには、時々、瞑想会やリトリートに参加することをお勧めします。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)でも、グループ学習の効果を重視しています。
マインドフルネスではない瞑想をしている
マインドフルネス瞑想は、「今、ここ」に意識を向ける瞑想です。すでに終わった過去のことや、まだ来ない未来のことでくよくよ考えたりしない、というのが趣旨です。
マインドフルではない瞑想をしても、なかなかマインドフルネス瞑想の効果は上がりません。
マインドフルではない瞑想として、ありがちなことを列挙しておきます。
マインドフルではない瞑想 | マインドフルな瞑想 |
呼吸を観察するつもりで、いつの間にか呼吸法や呼吸の長さについて考えている。 | この瞬間の呼吸の感覚を観察する。 |
音を観察するつもりで、音の出どころや、音の意味を考えている。 | 聞こえている音の感覚(特徴)を観察します。 |
自分の感情を観察するつもりで、なぜ腹がたったのか分析している。 | 感情が心や体に与えている感覚を観察します。 |
瞑想は心にとって退屈なものなので、いろいろな思考が瞑想中に浮かんできて、いつのまにかその思考にとらわれてしまいます。「どんな思考にとらわれているのかに気がつく」ということを繰り返していくのがマインドフルネス瞑想の基本的なやり方です。
もう一つ、マインドフルネス瞑想のために重要な要素として、「自分の心や体に対する優しい気持ちと好奇心」があると思います。これは、自分の心や体の感覚を、一歩距離をおいて、客観的に観察するために有効です。例えば、いつの間にか思考にとらわれてしまっていたことに気がついたとき、そのような自分の心を責めないで優しい気持ちで接してあげましょう。
マインドフルネス瞑想に関する疑問点は、詳しい先達や先生に質問するのがよいでしょう。以下の記事も参考にしてください。
座る瞑想が自分には向いていない
最も一般的なマインドフルネス瞑想のやり方は、椅子や床に座って行う「座る瞑想」ですが、どうしてもじっとしていられないとか、体が痛いとか、様々な事情で「座る瞑想」は辛いという人もいると思います。
マインドフルネス瞑想には様々な姿勢や方法があります。自分に合った方法を試してみるといいでしょう。以下、マインドフルネス瞑想のやり方の例です。
- 座る瞑想
- ボディスキャン(横になった状態で行う)
- マインドフルネスヨガ(立った姿勢・横になった姿勢)
- 歩く瞑想
- 食べる瞑想
以下の記事も参考にどうぞ。
効果を感じない
私は、毎朝、45分間、ヨガかボディスキャンを実践し、就寝前に座る瞑想を45分間実践しています。それ以外にも、一人でいる時間はできるだけマインドフルに過ごすようにしています。
このおかげで、夜は寝付きがとてもよいですし、ストレスも昔に比べるとかなり軽減されました。この効果を実感しているため、私は、マインドフルネス瞑想を毎日続けています。
マインドフルネス瞑想を始めた最初の頃は、20分間の座る瞑想でも苦痛であったことを思い出します。本当に効果があるのかも半信半疑でした。
他にストレスを減らすために頼るものがなかったので、無理をしてマインドフルネス瞑想を続けましたが、これが良い結果につながったのだと思います。
我慢をしてマインドフルネス瞑想の練習をした結果、マインドフルネス瞑想が習慣になり、そのおかげで効果を実感し、それがマインドフルネス瞑想を継続するモチベーションになるというよいループができました。
マインドフルネスが習慣化するまでは、ある程度、忍耐と努力が必要だと思います。

マインドフルネスストレス低減法プログラムでは、8週間、瞑想指導者のもと、毎日45分間の瞑想をする必要があるとされています。
マインドフルネスを継続するために
以上をまとめると、マインドフルネスの習慣が続かなくて悩んでいる人には次のことをお勧めします。
- 本当にマインドフルネスを継続する必要があり、その意志があるのかを確かめる
- 時々、瞑想会やリトリートなどに参加してみる
- マインドフルではない瞑想をしていないか、疑問点があれば質問してみる
- 自分にあった方法や姿勢でマインドフルネス瞑想を試してみる
- 瞑想が習慣化されて効果を感じるまで、我慢して努力する
特に最後の点については、8週間のマインドフルネスストレス低減法プログラムに参加されることをお勧めします。
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