この記事では、Google が開発した人材育成プログラム SIY (サーチ・インサイド・ユアセルフ)で学ぶ「怒りへの対処」を解説します。
なぜ、怒りを感じてしまうのか、どうやって怒りに対処すればいいのか、悩んでいる方にとって、有益な情報です。
怒りが引き起こす衝動的な行動
私達は、時として、 様々なことが引き金となって、 怒りの感情を感じます。この怒りの感情は、衝動的な行動を引き起こすことがあります。
怒りの感情が引き起こす衝動的な行動の例:
- 怒鳴る。
- 嫌味を言う。
- 意地悪をする。
- 殴りかかる。
このような衝動的な行動をとると、相手を傷つけるだけではなくて、自分自身を傷つけることにもなります。後で後悔したり、人間関係を悪くしたり、喧嘩して怪我をするかもしれません。
また、いったん衝動的な行動をとると、その行動を自分の中で正当化しようとして、怒りはどんどん大きくなっていきます。
なぜ、怒りを感じた時に衝動的な行動を取ってしまうのでしょう?
なぜ怒りが衝動的な行動を引き起こすか
ダニエル・ゴールドマン博士によると、怒りが衝動的な行動を引き起こす理由は、脳の感情を司る「扁桃体」が脳全体を乗っ取ってしまう「扁桃体ハイジャック」が起きて、理性的な脳の機能が抑制されてしまうからだそうです。1)EQ 心の知能指数 ダニエル・ゴールドマン著
扁桃体ハイジャックは、進化の過程で身につけてきた、生き残りのためのメカニズムです。
生命の脅威にさらされた時、即座に「戦うか、逃げるか」しないと、命が取られてしまいます。ゆっくりと考えている時間はありません。

怒りを感じたときは、この扁桃体ハイジャックが頭のなかで起きています。
ただし、この扁桃体ハイジャックは、数秒間しか続きません。その数秒間をやり過ごすことができたら、理性的な行動が可能になります。
ここに怒りへの対処の方法のヒントがあります。
怒りへの対処の方法
グーグルで開発された人材育成プログラム SIY では、怒りへの対処の方法として、次のステップ、SBNRR (Stop, Breathe, Notice, Reflect, Respond) を学びます。
Stop | 停止する | やろうとしていること、言おうとしていることを停止する。 |
Breathe | 呼吸する | 呼吸に注意を向けて、心を落ち着ける。 |
Notice | 気づく | 自分の怒りの感情をありのままに観察する。 |
Reflect | 省みる | 現在の状況、感情から得られる情報を考える。 |
Respond | 対応する | その時のベストな選択肢を選んで対処する。 |
要は、怒りから何か衝動的にやろうとしたり、言おうとしていることは、危ないから一旦停止しよう、ということです。
それから、自分の状態や周りの状況をよく見て、その時の最適な選択肢、つまり、誰も傷つけないでうまく状況を乗り切ることができる選択肢を選びます。
同じような対処法で、STOP (Stop, Take a breath, Observe, Proceed) というのもあります。
大切なのは、衝動的に反応するのではなくて、最も適切な選択肢を選んで対応するということです。
とはいっても・・・
先日、SIY の研修中に、次の質問がありました。
「怒り感じた時に衝動的に行動しないと、気持ちが収まらなくて、かえってストレスがたまります。そのような時はどうすればよいですか? 」
「怒って見せるのが唯一の選択肢と思える時はどうすればよいですか?」
この答えについては、上のリンクをご参照ください。
Google で開発された人材育成プログラム SIY(サーチ・インサイドユアセルフ)は、
- エモーショナル・インテリジェンスによる理論
- 脳科学による裏付け
- マインドフルネスによる実践
に基づいて、参加者のエモーショナル・インテリジェンスの5つの要素を育成します。
- 自己認識
- 自己管理
- モチベーション
- 共感力
- リーダーシップ
これによって、個人レベル、および組織レベルのリーダーシップ・生産性・幸福を向上します。
SIY の企業での導入に関しては、まず、1時間程度の無料のパイロットプログラムをお試しください。詳細は下のリンクをご参照下さい。
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