ジャーナリングとは、自分の心の中にある思考や感情を書き出して整理するということです。エモーショナルインテリジェンス講座では、モチベーションを自分で管理するための方法として学びます。
この記事では、ジャーナリングの効果を検証した研究として、アメリカのミズーリ大学で行われた実験を紹介します。
実験の目的
この実験では、ジャーナリングを短い時間、2分間のジャーナリングを2日間続けてやっただけでも、効果が見られるかどうかを検証しました。
実験の方法
心理学を専攻する大学院生49人に次の要領で実験に参加してもらいました。
- まず、被験者に実験室に来てもらって、ジャーナリングをする前の気分を調べます。パソコンでいくつかの質問に答えて、次の2つの気分を数値化します。
- 肯定的な気分(幸福感、楽しい、うれしい、満足している、など 1-5で評価)
- 否定的な気分(落ち込んでいる、不幸、イライラしている、心配している、退屈している、など1-5で評価)
- 次に、2分間、ジャーナリングを行います。ジャーナリングはパソコンに打ち込むことにより行います。2分経過後、自動的にジャーナリングは終了します。参加者は次の課題のいずれかをランダムに与えられます。
- トラウマについて書く。
- うれしかったことについて書く。
- 比較対象のためのトピックについて書く。(1日目は校舎の様子について。2日目は自分の靴について。)
- ジャーナリング終了後、パソコンでアンケートに答えることにより、以下の計測を行います。
- 肯定的な気分
- 否定的な気分
- ジャーナリングの体験(重要であったか、意味があったか、感情的だったか、面白かったかなど 1-5で評価)
- 翌日、以上の手順を繰り返します。ジャーナリングの課題は前日と同じものをやります。
- 4-6週間経過後、実験の参加者は、電子メールを受け取ります。アンケートに答えることにより、以下の計測を行います。
- 否定的な気分
- 健康状態 (54の質問に答える)
実験の結果
ジャーナリングを行った直後、トラウマについて書いた被験者は、否定的な気分がより強くなり、うれしかったことについて書いた人は、肯定的な気分がより強くなりました。これは当然のことですね。
ところが、4-6週間後に健康状態のアンケートを行ったところ、トラウマについて書いた被験者も、うれしかったことを書いた被験者も、比較グループと比べて、健康状態が良好であったとのことです。
この実験からわかること
まず、ジャーナリングは、短い時間実践するだけでも効果があるということが、この実験からわかります。2分間を2日間続けるだけでも 4-6週間後の健康によい影響があります。
また、「トラウマになったこと」でも、「うれしかったこと」でも、自分の感情について書き出すのが、健康によい、ということです。
この実験ではジャーナリングをパソコンに打ち込むことで実践しています。よく、ジャーナリングは紙に手書きするほうがよい、と言われますが、パソコンに打ち込むことによっても効果があることがわかります。
私はジャーナリングをやる方法として、パソコンで日記をつけることをおすすめします。そうすると誰にも見られる心配がないし、習慣にしやすいからです。以下の記事もご参照ください。
まとめ
ジャーナリングは、2分間といった短時間でも、心身の健康が向上するといった効果が得られます。
2分間だけなら、気軽に試すことができるのではないでしょうか?
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