MBSR 参加による扁桃体の変化

扁桃体MBSR
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扁桃体は、恐怖や怒りなどの感情を引き起こす脳の器官です。ストレスに関わる病気を持つ人の多くは、この扁桃体に何らかの異常が見られます。また、動物実験では、強いストレスを与えると海馬が肥大することがわかっています。

MBSR (マインドフルネスストレス低減法)に参加することによりストレスが低減すると、扁桃体にも変化が現れるでしょうか?

この件で、マサチューセッツ総合病院の Britta K. Hölzel らが 2010年に行った実験を紹介します。

実験の方法

  • 27人が実験に参加した。参加者はすべて、その前月に強いストレスを受けたと申告した人たち。
  • このうち、16人は8週間のMBSR(講義が24時間、毎日の練習は40分)を受講した。残りの11人は短いバージョンのMBSR(講義が12時間、毎日の練習は20分)を受講した。うち、ひとりは自宅での練習時間が不十分だったので、データから外された。のこりの26人の内、右利きの参加者のデータだけが使用された。
  • MBSR の受講の1週間前、受講の2週間後にMRIによる脳の検査を実施した。また、受講の前後に、自己申告によるストレス度合いのチェックを行った。

実験の結果

  • 受講の前後で、すべての参加者の自己申告のストレス度合いは改善していた。
  • 参加者の自宅での瞑想時間の合計が多いほど、ストレス状況はより改善していた。
  • ストレス度合いが改善している人ほど、右側の扁桃体灰白質が縮小していた。

この実験からわかること

MBSR に参加することによって、自己申告によるストレス度合いが改善していただけではなく、扁桃体の大きさが実際に変わっていたことから、MBSRの効果は、気のせいではなくて、本当に存在するということがわかります。

また、この実験は、マインドフルネス瞑想によって、脳の形や機能が変化するということを端的に示しています。瞑想時間が長いほど、その変化は大きいということも示しています。

このような脳科学の実験のことを聞く度に、自分の心の中で起こる感情や思考は、脳の神経細胞の集まりが起こしていることだということを思い出させてくれます。脳は、大きなアルゴリズムとみることもできます。

マインドフルネス瞑想は、このアルゴリズムを望ましい方向に変えてくれるものだと思います。

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