MBSR の効果: 皮膚の炎症

MBSR

ストレスは、皮膚に悪い影響を与えるといいます。マインドフルネス瞑想を実践すれば、皮膚の炎症に何らかの効果があるでしょうか?

MBSR (マインドフルネスストレス低減法) に参加することによって皮膚の炎症にどのような効果があるか、ということを調べた興味深い実験について、ご紹介します。この実験は、ウィスコンシン・マジソン大学の Melissa Rosenkranz らによって実施されたものです。

実験の方法

瞑想の経験のない健康な人、49人がこの実験に参加しました。49人をランダムに次の2つのグループに分けます。

  • MBSR グループ: 8週間の MBSR のプログラムに参加します。
  • HEP グループ: 8週間の健康増進プログラム (HEP: Health Enhancement Program) に参加します。HEP は、MBSR とよく似た構成のプログラムですが、マインドフルネス瞑想の代わりに、運動や音楽セラピーなどを取り入れたプログラムです。MBSR の効果と比較するためのグループです。

参加者は、各プログラムを受講する4週間前と、受講の4週間後に、皮膚に炎症を起こしその反応を調べます。また、同様に心理的なストレスを加えてその反応を調べます。具体的な方法、次のとおりです。

  1. 前腕部の皮膚にカプサイシンのクリームを塗って、皮膚の炎症の程度を調べます。カプサイシンは、唐辛子に含まれた成分で、皮膚に塗ると炎症を起こします。
  2. 人前で5分間のスピーチと5分間の暗算テストをして、唾液に含まれるストレスホルモン(コルチゾール)の量を調べます。

実験の結果

MBSR グループは、HEP グループと比較すると、プログラム受講後の皮膚の炎症は軽くてすみました。

唾液に含まれるストレスホルモンの量は、両方のグループでプログラムの受講後、受講前よりも少なくなりました。その変化度合いは、両方のグループの間で違いはありませんでした。ただし、ストレスホルモンの日内変動は、MBSR グループの方がHEPグループよりも大きくなりました。ストレスホルモンの日内変動が大きい方が、より心理的に健康であるそうです。

この実験からわかること

この実験では、MBSR は、HEPよりも、皮膚の炎症に対して良い効果があったことがわかります。

ただし、この実験は、健康な人を対象に、特殊な状況で皮膚に炎症をおこして、それがどうなったかを調べたものです。

すでにアトピー性皮膚炎などの症状を持っている人に対して、MBSR の効果があったということではありません。

皮膚の疾患を持つ方が、過度の期待をもってMBSR に参加すると、かえってがっかりする結果になるかもしれない、と思いました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました