マインドフルネス瞑想により、マインドフルネスを実践し続けると、脳にどのような変化が現れるでしょうか?
瞑想を続けた人の脳をMRIで調べた研究を紹介します。
実験の内容
- 瞑想経験者20名を集めて、「瞑想経験者グループ」と名付けます。
- 地域の瞑想サークルから 毎日40分以上の瞑想をしている人を募集します。
- 仕事を持ちながらマインドフルネス瞑想を日常的にしている人です。 僧侶は含まれません。 瞑想の先生2名、ヨガの先生3名を含みます。
- 参加者の平均瞑想キャリアは、9.1年間。
- 参加者の平均瞑想時間は、 1週間あたり6.2時間。
- 比較対象のための「比較対象グループ」を作ります。性別、年齢、人種、学歴の構成が「瞑想経験者グループ」とほぼ同じで、瞑想経験が全くない人を15名集めます。
- MRI を使用して、「瞑想経験者グループ」と「比較対象者グループ」の脳の各部分の皮質の厚さなどを調べます。
実験の結果
注意力、知覚認知、知覚処理などにかかわる部分の脳の皮質について、「瞑想経験者グループ」は「比較対象者グループ」と比べて 厚くなっていました。
また、前頭葉の厚さについて、「比較検討グループ」では加齢とともに薄くなる傾向がありましたが、これに比べて「瞑想経験者グループ」では、年をとっても厚さは変わらない、という傾向がありました。
実験からわかること
マインドフルネス瞑想を続けていくと、MRIによる脳の画像から、次のような利点があることが伺えます。
- 「今、ここ」で起こっっていることを認識すること、つまり、五感の感覚を認識する能力が向上する。
- 加齢による脳の機能の劣化を、部分的に緩和する。
マインドフルネス瞑想の効果により、脳の形がはっきりと変わるまでには、毎日40分以上、何年もかけてマインドフルネス瞑想を続ける必要がありそうです。
ただし、その瞬間、瞬間の瞑想の積み重ねでこうなるわけですから、短い時間の瞑想も一定の効果があると言えると思います。
長くマインドフルネス瞑想を続けるための意志の力とか、環境づくりが大切ですね。
出典:
Meditation experience is associated with increased cortical thickness
コメント