メタ認知とマインドフルネス

メタ認知

この記事では、メタ認知とは何か、メタ認知の効用、メタ認知の高め方をマインドフルネスとの関係で説明します。

メタ認知とは何か

メタ認知とは、簡単に言うと、「自分が考えていることを考える」、ということです。

「メタ」というのは、「より高い次元の」という意味です。「認知」は、物事を知覚して判断したり、解釈したりするという意味です。「メタ認知」で、認知自体を認知するという意味になります。このメタ認知という概念は、1970年代に心理学の分野で広がりました。

たとえば、次のような場合にメタ認知が活用されています。

  • 自分がいま怒っていることに気がつくこと
  • 自分の得意分野について理解すること
  • 自分の習性を理解して、それに合わせて何かを達成するために計画を立てること

メタ認知の能力は、人種や文化を問わず、ほとんどの人にありますが、人によって個人差があります。この能力は言語能力の発達とともに、5-6歳の子供になると現れてきて、成長に伴い 発達します。人間以外にも、類人猿やイルカなどに、このような能力が一部見られるとのことです。

メタ認知を細かく見ると、「メタ認知知識」と「メタ認知制御」の2つの機能が相互に連携して、メタ認知を実現しているとされています。

  • 「メタ認知知識」:メタ認知を実現するために蓄積された有用な知識
  • 「メタ認知制御」:メタ認知知識を参照して認知活動を監視、コントロールするための技能

これを図にすると、次の関係になります。

メタ認知イメージ

メタ認知は、常に役に立つというわけではなくて、「肯定的なメタ認知」と「否定的なメタ認知」があります。

  • 肯定的なメタ認知: 学習や問題の克服に肯定的に働くメタ認知。
  • 否定的なメタ認知: 学習や問題の克服を阻害するメタ認知。苦手意識や「また失敗するのではないか」という意識。

メタ認知の効果

メタ認知能力を高めることにより、どのような効果があるか、次にまとめてみました。

  • 奈良教育大学のサイトによると、肯定的なメタ認知の発達を促進することにより、児童の学習効率が上がるそうです。これは、児童が自分で学習の成果を評価したり、学習の方法を工夫したりするようになるからだ、とされています。
  • 大人でも、肯定的なメタ認知能力が高い人は、客観的に自分の立場や感情を観察して、自分の行動を制御したり計画を立てたりすることが上手にできます。そのような人たちは、そうでない人よりも、社会性や問題解決能力が高いといえるでしょう。
  • マインドフルネス認知療法 (MBCT) では、マインドフルネス瞑想の実践を通じて、自分中心の考えを変える(脱中心化)ことにより、メタ認知能力を高めることが療法の中心となっています。この療法は、再発性うつの治療に効果があるとされています。
  • マインドフルネスストレス低減法 (MBSR)は、一般的なストレスの低減を目指したものですが、マインドフルネス瞑想を通じて、メタ認知能力の向上を図ります。ストレスに起因する様々な症状に効果があることが臨床試験で実証されています。

メタ認知の高め方

メタ認知能力を高める方法として、マインドフルネス瞑想がお勧めです。マインドフルネス瞑想は、自分の体の感覚や心をありのままに観察して、「今、ここ」で起こっていることに注意を向けます。この練習を続けることによって、無意識のうちに自分がネガティブな反応の連鎖を起こしていることに気が付いたり、ネガティブな感情に対して意識的に対処したりすることができるようになっていきます。

マインドフルネス瞑想は、もともと、仏教やヨガの伝統の中で実践されてきたものですが、1970年代から西洋医学の中でも、取り入れられるようになってきました。

マインドフルネス瞑想の実践方法を学ぶには、日本であれば、禅宗のお寺で座禅会に参加するのが手軽な方法かもしれません。

宗教が苦手な方や、科学的な方法を求める方は、マインドフルネスストレス低減法のコースに参加されることをお勧めします。

日本で参加可能なコースは、次の通りです。

リンク:日本で参加可能なマインドフルネスストレス低減法のコース


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