マインドフルネスをさらに深めるために、あるいは、マインドフルネスを教える仕事をしたい人にとって、マインドフルネス講師の資格は魅力的だと思います。
もちろん、資格を取ったからといって、マインドフルになるというわけではありませんが、この資格を取るための道のりを歩むこと、そのハードルを越えていくことが自身のマインドフルネスを深めることにもなるからです。
マインドフルネス講師に必要な資質
オックスフォード大学マインドフルネスセンターは、他の機関と協力して、マインドフルネス講師の評価方法を文書化しました。 MBI-TAC(Mindfulness Based Interventions: Teaching Assessment Criteria) といいます。
この中で、講師に求められる資質として、次の事項を挙げています。
- カリキュラムに沿って内容を伝え、コースを運営する能力
- 参加者との人間関係を築く能力
- マインドフルネスを体現 (Embodiment) していること
- マインドフルネス瞑想をガンダンスする能力
- インターラクティブな方法でテーマを伝える能力
- グループ学習の環境を整える能力
3つ目の「マインドフルネスを体現していること」については、もちろんマインドフルなフリをするだけでは駄目です。自身がマインドフルネスの実践を日々続けることにより、今起こっていることに注意を向けられていることが重要なのだそうです。生徒は、講師の様子からマインドフルネスとは何かを学ぶわけです。
ただし、マインドフルネスを体現していること以外にも、講師には様々な資質が必要とされています。マインドフルネスを深く実践していても、講師に向いているとは限らないということです。
MBSR認定講師
マインドフルネスが今日のように世界中に広がったきっかけは、ジョン・カバットジン博士がマサチューセッツ大学医学部でマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発し、これが広く受け入れられたことでした。
このMBSR(マインドフルネスストレス低減法) は、ストレスを低減するための8週間のプログラムです。仏教やヨガのマインドフルネスの考え方をもとにしていながら、科学的な臨床研究でこの効果が裏付けられているのが特徴です。これまで世界中で24000人以上の人が受講しました。
MBSRは、精神的なストレスや疼痛などの身体的なストレスを低減するというだけではなく、様々なマインドフルネス瞑想の手法を学ぶことを通じて、初心者がマインドフルネスの習慣を身につけるためにも効果的です。また、マインドフルネスをすでに実践している人にとっても、マインドフルネスの考え方や方法を学ぶよい機会だと思います。
もともと、MBSR講師の認定資格を得るための養成コースは、マサチューセッツ大学医学部マインドフルネスセンターで実施されていましたが、今では、組織が変わって、ブラウン大学マインドフルネスセンターに引き継がれています。詳細は下のリンクをご参照ください。
MBCT認定講師
MBSR を元にイギリスのオックスフォード大学で開発されたのが、マインドフルネス認知療法 (MBCT:Mindfulness Based Cognitive Therapy)です。こちらは、うつ病の再発防止を目的としています。
オックスフォード大学のマインドフルネスセンターで講師を養成しています。下のリンクをご参照ください。
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