軽度認知症の患者にマインドフルネス瞑想が役に立つか

alzheimersマインドフルネス

「軽度認知症」とは、認知症の一歩手前の状態で、物忘れなどの記憶障害があるものの、症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の間の状態です。1)軽度認知障害(MCI)って何?

Wake Forest School of Medicine 准教授の Rebecca Erwin Wells 医学博士の研究によると、「アルツハイマー病の進行を防ぐ治療法が開発されるまでは、マインドフルネスの実践が軽度認知症の役にたつかもしれない。」とのことです。2)Adults With Mild Cognitive Impairment Can Learn And Benefit From Mindfulness Meditation

以下、その研究についてご紹介します。

実験の方法

軽度認知症の患者14人を 2:1 の比率で次の2つのグループに分けます。

MBSR プログラムを修了した参加者にはインタビューを行います。インタビューの内容は次の方法で評価されます。

  1. インタビューでどのような話題が出たかを抽出します。
  2. プログラムに参加して得るところがあったかどうか、マインドフルネス瞑想の理解について、それぞれ、1-10 で評価します。この数値は、毎日の自宅での実践時間や認知機能のレベルと比較されます。

実験の結果

MBSRプログラムに参加した軽度認知症の患者へのインタビューから以下の肯定的な話題が抽出されました。

  • プログラムに参加したことに対する肯定的な認識
  • マインドフルネスのスキルの向上:以下の項目を含みます。
    • メタ認知向上、グループ学習の重要さの認識、健康増進、軽度認知症に対する認識の変化、ストレス反応の減少、リラクゼーションの改善、対人スキルの向上

また、プログラムに参加して得るところがあったかどうか、マインドフルネス瞑想の理解について数値化したところ、それぞれ、結果の中央値は、7 と 6 でした。多くの参加者は、マインドフルネス瞑想から得るところがあり、マインドフルネスを理解できたと答えました。

マインドフルネスを理解したかどうかについては、1日あたり20分以上マインドフルネス瞑想を実践したかどうかと強い相関がありました。ただし、認知機能のレベルとの相関はありませんでした。

この実験からわかること

この実験は被験者の数が少ないですが、軽度認知症の患者でもマインドフルネス瞑想を学ぶことができ、軽度認知症を受け入れたり、生活の質を改善したり、社会との関わりを深めるという可能性があることが伺えます。

Wells 博士によると、

「MBSR のコースは、軽度認知症患者のために開発、設計されているわけではない。しかし、この実験から新しいことがわかった。・・・多くの軽度認知症患者はマインドフルネスの重要な概念を学ぶことができるし、軽度認知症で記憶力が衰えていても、マインドフルネス瞑想のスキルを学ぶことができる。」3)https://www.sciencedaily.com/releases/2019/08/190815140852.htm

とのことです。

強度の慢性的なストレスがかかると、脳の「海馬」に悪い影響を与え、軽度認知症やアルツハイマー病の悪化につながると考えられています。マインドフルネス瞑想は、慢性的なストレスを緩和する効果があります。4)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31282418/

海馬
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