G-LWGX0D5F1Z 眠れない夜のマインドフルネス

眠れない夜のマインドフルネス

眠れない夜のマインドフルネスマインドフルネス

夜、眠りたいのに眠れないのはつらいものです。ここでは眠れない原因とその対策、それから、寝床で眠れないときにどうすればよいか、説明します。

眠れない原因と対処法

ストレス

不眠の原因の一つはストレスです。

日中に何か大きなストレスを受けると、そのことが原因になって、寝ている間にいろいろな考えや感情が堂々巡りで心に浮かんできます。

ストレスへの対処の方法として、マインドフルネスの実践をおすすめします。特に「座る瞑想」を20分から40分程度実践する習慣をつけるとよいでしょう。マインドフルネスには、ストレスを低減する効果があります。

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生活習慣

夜眠れないのは、生活習慣の改善を促す身体からのメッセージかもしれません。身体からのメッセージに耳を傾け、生活習慣の改善を検討してみましょう。たとえば、

  • 毎朝同じ時間に起きて日の光を浴びる。
  • 定期的に運動を行う。
  • 就寝前の飲食、アルコール、カフェインを控える。
  • 寝床にスマートフォンを持ち込まない。

 寝すぎ

一晩に眠れる時間は、年を取るとともに減ってきます。厚生労働省の指針によると、25歳で約7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間だそうです。寝床に入っている時間が長すぎるとかえって眠れないこともあります。

病気

不眠症が続く場合は何かの病気にかかっているかもしれません。痛みやかゆみのせいで眠れない、夜中に咳が止まらない、呼吸が苦しい、身体がほてるといった症状があって眠れない場合は、専門の医師の診断を受けることを検討しましょう。

寝床で眠れない時にどうするか?

寝床で目が覚めて眠れない時には、どうすればよいでしょう?

頑張って眠ろうとしても眠れません。こういう時は、寝る努力をするのをあきらめて、マインドフルネス瞑想をしてはどうでしょうか?

ボディスキャン

たとえば、寝床に入ったまま、ボディスキャンをやってみるといいでしょう。

ボディスキャンは、マインドフルネス瞑想の一つです。仰向けで横になって、足先から頭まで身体の各部分を、順番に時間をかけて細かく観察します。

ボディスキャンの練習中は、できるだけ寝ないように講師からガイダンスされますが、多くの人が途中で寝てしまいます。

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)を長年指導してきたジョン・カバットジン博士によると、プログラムの参加者で不眠に悩む人に、寝床でボディスキャンの音声ガイダンスを聞くように勧めたところ、不眠対策に大きな効果があったそうです。

夜眠れない時に、下のボディスキャンの音声ガイダンスを聞いて試してみるといいでしょう。

ボディスキャンのやり方がわかったら、音声ガイダンスなしで、寝床で試してみましょう。

私の場合は、布団の中で両足の足先に意識を集め続けているだけで、たいてい寝てしまいます。

何か、思考や感情にとらわれていることに気がついたら、そのことには反応しないで、両足の足先に意識を戻すのがコツです。

呼吸を観察する

カバットジン博士によると、寝床で呼吸を観察すると、ボディスキャンと同じような入眠の効果があるそうです。

私も、夜中に目が覚めて眠れなくなった時は、呼吸を観察するようにしています。寝床で呼吸を観察するには、次の要領でやるといいでしょう。

  1. まず、寝床で自分が眠れないでいることを率直に認める。
  2. 身体中の力を抜く。特に顔の筋肉の力を抜く。
  3. 鼻、胸、腹部など、どこか特定の場所を決めて、その場所の感覚で呼吸を観察する。吸う息の始まり、続き、終わり、ポーズ、吐く息の始まり、続き、終わり、ポーズ、と呼吸の各プロセスをできるだけ細かく観察する。
  4. 途中で、心が呼吸から離れて何か別のことを考えていたら、そのことに気が付いて、自分の意志で呼吸の観察に戻る。これを繰り返す。

自分に対してイライラしないで、優しい気持ちと好奇心を持って呼吸を観察することがコツです。

もし、これで眠れないとしても、マインドフルネスの実践になるので、無駄な時間を過ごした感じがしません。

寝床から出て瞑想をする

カバットジン博士は、心が高ぶって眠れないでいる場合は、寝床から出て、座る瞑想歩く瞑想を30分くらいやってみることを勧めています。そうすれば、心が落ち着いて眠りやすくなるとのことです。

なぜマインドフルネス瞑想が不眠に効果があるのか

眠れない時は、いろいろな考えが次々に頭の中に浮かんできます。無意識のうちに、ある考えが次の考えを生み出す悪循環になっています。

大抵の場合、ネガティブな考えや感情が連鎖を起こしていきます。

こうなると、なかなか眠れません。

マインドフルネス瞑想では、今この瞬間の身体の感覚や心の中に生じる考えや感情を観察します。これによって、無意識のうちに起こる思考の連鎖を止めることができます。

科学的な根拠

アメリカ国立衛生研究所の資料によると、デンマークにおいて、乳がん手術後の不眠で悩む336人に対して、ランダム化比較試験を行い、MBSR(マインドフルネスストレス低減法) の8週間のコースに参加した168人と、そうでない168人とを比べたそうです。

そうすると、コースに参加した人は、そうでない人と比べると、睡眠の質に関する問題が大幅に改善し、コース参加の12か月後でもこの傾向は変わらなかったとのことです。

この資料では、MBSRのコースは、統計的に、睡眠の質の改善に関する大きな効果があると認めています。詳細は下のリンクをご参照ください。

まとめ

眠れないときには、ボディスキャン座る瞑想歩く瞑想など、マインドフルネス瞑想を試してみるとよいでしょう。

マインドフルネス瞑想を効果的に練習するためには、MBSR(マインドフルネスストレス低減法) の8週間コースに参加することをお勧めします。