皆さんは日常生活で、ネガティブな感情に襲われたことがあるでしょうか?
私はとても頻繁にネガティブな感情に襲われています。たとえば、怒り、孤独、不安、恐怖、後悔、嫉妬、悲しみ、などなど。
ここでは、ネガティブな感情に対処する方法として、マインドフルネスの実践する方法をご紹介します。
ネガティブな感情とは
「ネガティブな感情」は、大抵、「ネガティブな考え」にくっついています。
たとえば、こんな感じです。
ネガティブな考え | くっついている ネガティブな感情 |
あの人が私を馬鹿にしている態度をとっている。 | 怒り |
どうせ、私には友達なんていないんだ。 | 孤独 |
私が老人になったときにお金があるだろか? | 不安 |
もう少しで車にぶつかって大怪我をするところだった。 | 恐怖 |
あのときに道を間違ってしまった。 | 後悔 |
なぜ、あいつは私よりも裕福なんだ? | 嫉妬 |
私をかわいがってくれたお婆さんが亡くなった。 | 悲しみ |
それぞれのネガティブな感情は、その状況で行動を起こすことを促しています。
たとえば、怒りの感情は、自分が誰かに馬鹿にされたとき、相手を睨んだり、殴ったり、といった行動を取らせようとします。
しかし、なぜ相手を睨んだり、殴ったりということをさせるのでしょう? それで問題が解決するとは思えないですし、かえって立場がまずくなるかもしれません。人を殴ったりするのは犯罪行為です。

感情は進化によるもの
私達の心や体は、小集団の部族で狩猟採集生活をしていたころに適応しています。昔、部族の中で誰かに馬鹿にされたら、怒って見せる、あるいは、すぐその場でやり返す、ということをしないと、子孫を残せませんでした。怒りの感情はそのような環境で発達してきました。
その子孫である私達は、みんな、祖先から遺伝子を受け継いで、怒りの感情を持っています。
他の感情についても同様に、子孫を残すのに有利になるような行動を起こさせようとしています。たとえば、
- 孤独は、誰かとつながろうとする行動を取らせようとします。
- 不安、恐怖、後悔は危険を回避させようとします。
- 嫉妬は、競争させようとしています。
- 悲しみは、自分にとって大切なものを守ろうとさせます。

問題なのは、これらのネガティブな感情は狩猟採集生活をしていたころには、子孫を残すという役に立っていたが、現代の我々に役に立っているとは限らない、ということです。
たとえば、
- 昔は感情に従って行動すればよかったのですが、現代社会では許されないことが多いです。その結果、ネガティブな感情が解消されず、蓄積されます。
- 現代には、昔と違って、ネガティブな感情を取り除く簡単な方法があります。これが不健康な習慣や依存症を招くことあります。以下、その例です。
- 飲酒、タバコ、ドラッグ
- インターネット、ゲーム
- ポルノ
- ギャンブル
- 砂糖、炭水化物
- もともと、子孫を残すために生きているというわけではありません。そんなことよりも、生きていくのに感じる苦しみをなんとかしたい、と考えています。

それでは、ネガティブな感情をどのように処理すればよいでしょうか?
ネガティブな感情を観察する
ネガティブな感情に襲われたときは、次の要領でその感情を観察することをお勧めします。
- 静かなところで座って、呼吸を観察します。心が落ち着くのを待ちます。
- 今、心の中で発生している「感情」を観察します。
- 「感情」を心で発生している現象として、観察者の視点で、観察します。
- 優しい気持ちと好奇心を持って観察します。自分を責める必要はありません。
- その感情について、いいものであるか、悪いものであるか、という価値判断はせずに、ありのままの心の感覚を観察します。
- 感情は、顔やお腹など、体の感覚として感じられることがあります。体の感覚も観察します。
- 感情に巻き込まれて、「感情の観察」ができていないと感じたら、観察の対象を呼吸に戻します。心が落ち着くのを待って、再度、感情を観察します。
- 感情は、観察されていると消えていきます。このときの消えていく感情を見守ります。
このやり方は、マインドフルネスの考え方に基づく、マインドフルネス瞑想によるものです。マインドフルネス瞑想を効果的に学習するには、マインドフルネスストレス低減法のコースに参加されることをお勧めします。

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