マインドフルネス瞑想が脳に与える影響 – 痛みへの反応

MBSR

マインドフルネス瞑想を続けると、脳にどのような影響があるのでしょうか?

ここでは、Antoine Lutz博士等によってウィスコンシン大学で行われた、痛みへの反応に関する実験をご紹介します。

マインドフルネス瞑想では、身体の痛みの感覚を避けたり無視しようとするよりも、むしろ心を開いてありのままに受け入れることが勧められます。その方が痛みにうまく適用できるからだ、とされています。

このことを検証するため、 この実験では、マインドフルネス瞑想の経験者と初心者との間で、痛みに対する脳の反応がどのように異なるのかを調べました。fMRI という脳の画像を分析する方法を使用しています。

参加者に、手首に温度を調整する装置をつけてもらって、次の手順で実験を行い、その間の脳の働きを測定しました。

  1. まず、瞑想を行う。45秒間。
  2. 次に、手首の装置の温度を38℃に上げる。12秒間。(まもなく苦痛が来る合図)
  3. 次に、手首の装置の温度を苦痛に感じるところまで上げる。10秒間。

その結果、瞑想の経験者は、初心者と違って、次のような特徴がみられたそうです。

  • 痛みの感覚を感じている間、その感覚をよりハッキリと認識している。ただし、不快感はそれほど感じていない。
  • 痛みの感覚がまもなく来ることがわかった時、それほど不安やストレスを感じない。
  • 痛みの感覚が終わった後、より早く平常の状態に戻る。

つまり、瞑想の経験者には次の傾向があることが伺えます。

  • 現在起こっている痛みに向き合い、そのせいで苦しまない。
  • 将来起こるかもしれない痛みのことで苦しまない。
  • 過去に起こった痛みのことで苦しまない。

この実験に参加した瞑想経験者は、チベット仏教などの伝統的な方法で1万時間以上瞑想を行った、瞑想のエキスパートです。私たちがそのようなレベルに達するのは難しいと思いますが、Lutz 博士によると、8週間のマインドフルネスストレス低減法 (MBSR) でも、程度の違いはあれ、同じような効果が得られるだろう、とのことです。

Google が社員の研修のために開発した従業員育成プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ」では、マインドフルネス瞑想やエモーショナル・インテリジェンスの効果を、脳科学の観点から説明しています。この研究についても、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」のプログラムの中で紹介されています。


出典: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3787201/

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