G-LWGX0D5F1Z 感情と思考の関係

感情と思考の関係

Brainマインドフルネス

以前から、感情と思考はどのような関係があるのだろう、と不思議に思っていました。

最近読んだ本に、この件について、次のように書かれていました。

情動は脳の最高次の目標を設定するメカニズムである。いったん引き金をひかれると、その情動によって、私たちが思考、行動と呼ぶ下位目標やさらに下位目標のカスケードが引き起こされる。目標と手段は下位目標の中に下位目標があり、またそのなかに下位目標があるという入れ子式の制御構造にまとめられているので、感情と思考を区別する明確な線はないし、思考が必ず感情に先行する、あるいはその逆に感情がかならず思考に先行すると行ったこともない(心理学の分野ではどちらが先かを巡って一世紀にわたる論争があるが)。

スティーブン・ピンカー著 「心の仕組み(中)」 242ページ

この箇所を読んで私は激しく納得しました。自分の経験とよく合致します。

自分の経験では、マインドフルネスの実践中に思考や感情を観察すると、ある思考には、それを強力に推進する感情があると思うこともありますし、ある感情が思考によって引き起こされていると感じることもあります。

以下、この本を読んで、自分が理解したことです。

  • 感情の多くは進化に由来するもの。その時々の状況に応じて、生き残って子孫を残すための様々な感情が引き起こされる。[心のモジュール性]例えば、恐怖、食欲、性欲、承認欲求など。
  • いくつもの矛盾する感情が引き起こされているときには、そのうちで最も強力なものが脳のリソースを支配して、その時点の思考や行動を引き起こす。
  • 感情が引き起こした自らの思考も、次の感情を引き起こし、それがさらに次の思考や行動の引き金になる。
  • この入れ子構造のなかで思考と感情は表裏一体になっており、明確な区別はできない。

ネガティブな思考がいつまでも心を支配しているのは、ネガティブな思考がネガティブな感情を呼び起こし、それが次のネガティブな思考を呼ぶ、という堂々巡りをしているからなのだ、と思いました。

特にこのようなネガティブな思考や感情に振り回されているときに、マインドフルネス瞑想が役に立つと思います。

この記事を書いた人
しげき

1963年生まれ。大阪市出身。京都大学法学部卒。KDDIやマイクロソフトなど、30年以上、IT業界で営業・マーケティングを担当した。
2007年からマインドフルネス瞑想を継続して実践する。
2018年にセミリタイアし、マインドフルネスの講師となる。MBSR 認定講師。

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