怒り感じた時に衝動的に行動しないと、気持ちが収まらなくて、かえってストレスがたまります。そのような時はどうすればよいですか?

Angerサーチ・インサイド・ユアセルフ

怒りを感じたときには、衝動的な行動をストップさせて、心を落ち着けてから、その時の最もよい選択肢を選ぶ、いう対応方法がおすすめです。

Google で開発された社員育成プログラム「サーチ・インサイド・ユアセルフ」では、この具体的な方法として、SBNRR (Stop, Breathe, Notice, Reflect and Respond) を学びます。 詳しくは、「怒りへの対処」の記事をご参照ください。

先日、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」のセミナーで、次のような質問を受けました。

「そうは言っても、怒り感じた時に衝動的に行動しないと、気持ちが収まらなくて、かえってストレスがたまります。そのような時はどうすればよいですか?」

この質問に対する私の答えは、次のとおりです。

  • 衝動的に行動することは、誰にでもあることです。私にも頻繁に起こります。そうしないと、ストレスが溜まってしまう、というのもよくわかります。
  • その一方で、衝動的に行動すると、先が見通せないので、誰かを傷つけることになるかもしれませんし、自分自身を傷つけるかもしれません。自分の立場が悪くなることもあるでしょう。その結果、より多くのストレスを抱えることになるかもしれません。
  • なので、お勧めするのは、できる限り、衝動的な行動を一旦ストップさせて、理性が戻ってきてから、最適な選択肢を選ぶことです。場合によっては、「衝動的に怒ってみせる」というのが、その時の最適な選択肢なのかもしれません。
  • 最適な選択肢を選ぶにあたって、考慮していただきたいのは、「自分を含めて、誰も傷つけない」、それから「困難な状況をうまく乗り切ることができる」ということです。
  • ストレスへの対処の方法としては、できるだけ、健康的な対処方法を選びましょう。「定期的な運動、気晴らし」、「マインドフルネス」などがあります。

ところで、「衝動的な反応を一旦停止させる」ということは、一見すると、自然の流れに反した、不自然な行動に見えます。

なぜなら、「怒りの感情を感じて、衝動的に行動する」ということは、進化の過程で獲得した生き残りのためのメカニズムだからです。実際、そのように行動したほうが、集団の中の地位が向上して、子孫を残しやすくなるのではないか、と思うこともあります。

例えば、サル山の猿は、餌を誰かに取られそうになったら、直ぐに反応しないと生き残れないし、子孫も残せないでしょう。人間の社会でも、暴力だけが支配する社会では、そのように行動しないと生き残れないかもしれません。

その一方で、大抵の人間の社会では、衝動的に行動する人は、共感や尊敬を得られなくて、子孫を残しにくいと思います。

だから、「衝動的な行動を一旦止めて、理性的に行動する」という能力も、人間が集団で暮らす中で、進化して身につけた能力だと思います。そんなに不自然なことではないのです。


出典:

運動によるストレス低減効果に関する研究

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