マインドフルネス効果の科学的な根拠

マインドフルネスストレス低減法(MBSR)を開発したジョン・カバットジン博士は、開発当初からマインドフルネスの精神的、肉体的ストレスの低減効果について、臨床試験で科学的な効果検証を行うことに努めてきました。

マインドフルネスの効果は、現在世界中の病院や大学で検証されていますが、以下に、アメリカ国立衛生研究所のウェブサイトで掲載されている学術論文を症状別に取り上げます。それぞれのリンクは、アメリカ国立衛生研究所の関連ページです。

不安障害

2009年から2011年にかけて、93人の全般性不安障害の患者に対して、MBSRとストレスマネジメント教育のランダム化比較試験をしたところ、いずれの方法でも症状の回復が見られたが、MBSRの方が、効果が大きかった。

喘息

42人のぜんそく患者に対してランダム化比較テストを施したところ、肺の機能に違いは見られなかったが、8週間のMBSRを受講したグループの方が、1年後の生活の質(quality of life) が顕著に向上していた。

がん

166人の乳がん患者に対して、8週間のMBSR のランダム化比較試験を行ったところ、MBSR を受講した患者は、うつ傾向、メンタルヘルスが大きく改善し、免疫反応についても大きな改善が見られた。

慢性疼痛

1960年から2010年までの間に、疼痛とマインドフルネスをベースにしたプログラムに関する調査が16件報告されており、そのうち、ほとんどの調査(16件中10件) で、疼痛の大幅な緩和が確認された。

糖尿病

2型糖尿病の患者110人に対して、ランダム化比較テストを施したところ、MBSR を受けたグループの方が、5年後、うつ症状を発症する割合が低く、健康状態も良好だった。ただし、糖尿病のマーカー(アルブミン尿)のレベルは変わりがなかった。

線維筋痛症

177人の線維筋痛症の女性にランダム化比較試験を施したところ、MBSRを受講したグループは、健康に関する生活の質 (health-related quality of health)の改善が見られ、さらに、うつ症状、痛み、不安、身体症状などでも改善が見られた。

胃腸障害

90人の過敏性腸症候群の患者にランダム化比較試験を施したところ、MBSRを受けたグループは、症状の改善がより顕著だった。

心臓病

左室駆出率が40%以下の成人の心臓病患者208人に対して、ランダム化比較試験を実施したところ、マインドフルネスをベースとした8週間のトレーニングを受けたグループの方が、不安やうつが少なく、トレーニング後1年後もこの傾向が続いた。

HIV

ART療法を受けた結果、うつ症状の副作用を示しているHIV患者76人に対してランダム化比較試験を施したところ、MBSRを受講した患者は、3か月後、および6か月後の調査で、ARTの副作用の頻度の減少が見られた。

ホットフラッシュ

一日あたり平均5回以上のホットフラッシュが起こる女性110人に対して、ランダム化比較試験を施したところ、MBSRを受講した女性は、ホットフラッシュが起こる率がそれ以外のグループよりも大きく減少した。また、MBSRを受講したグループは、生活の質がそれ以外のグループよりも大きく向上した。

高血圧

56人の高血圧前症の男女56人にランダム化比較試験を施したところ、MBSRを受講したグループは、それ以外のグループよりも高血圧症の改善が見られた。

気分障害

39件の文献を調査したところによると、マインドフルネスをもとにしたセラピーは、不安障害、気分障害の改善に効果が認められた。

睡眠障害

デンマークで乳がん手術後の不眠で悩む336人に対して、ランダム化比較試験を行ったところ、MBSRの8週間のコースに参加した人は、睡眠の質が大幅に改善し、12か月後の追跡調査でもこの傾向は変わらなかった。

ストレス障害

中間管理職114人の被験者に対して、ランダム化比較試験を実施したところ、8週間のMBSRコースが、仕事に関するストレスを低減し、職場における心理的な適応力を強める効果があることが認められた。