サーチ・インサイド・ユアセルフ (SIY) とは?

Search Inside Yourselfブログ

サーチ・インサイド・ユアセルフ (SIY: Search Inside Yourself)は、Google で開発された人材育成プログラムです。従業員向けのマインドフルネス研修として世界中で実施されています。

以下、サーチ・インサイド・ユアセルフの歴史や内容についてご紹介します。

歴史

サーチ・インサイド・ユアセルフは、Google の社員でエンジニアだった チャディー・メン・タンによって開発されました。

書籍「サーチ・インサイド・ユアセルフ」によると、チャディー・メン・タンは、瞑想を人生や仕事の成功に活かせないか、という疑問をかねてから持っていました。そして、マインドフルネスとエモーショナル・インテリジェンス (EQ) を組み合わせて、エンジニア向けのトレーニング・プログラムを開発するアイデアを思いつきます。

グーグルには、社員が勤務時間の20%を本来の業務以外のプロジェクトに取り組める」というルールがあります。「20%ルール」と呼ばれているそうです。チャディー・メン・タンとその仲間たちは、この時間を活用して、プログラムを開発しました。

このプログラムの開発には、各分野の専門家が関わりました。禅師、企業のCEO、スタンフォード大学の科学者、それから、エモーショナル・インテリジェンスの大家である、ダニエル・ゴールドマン博士が開発に力を貸してくれたのです。

ここで開発されたプログラムは、「サーチ・インサイド・ユアセルフ」、つまり、「自分の内面を検索せよ」と名付けられました。この名前は、もとは仲間内のジョークだったのが正式な名前になってしまったのだとのことです。

チャディー・メン・タンは、その後、Google の人材開発部門に移って、講師として、このプログラムをGoogle のエンジニアに教えることになります。Google のエンジニアがこのようなプログラムを開発し、講師をすることについて、次のようなメリットがあったといいます。

  • Google のエンジニアは、疑い深くて科学的な頭を持っているので、科学に基づかないものを教えたら、面目丸つぶれになる。だから、サーチ・インサイド・ユアセルフは、しっかりとした科学的な根拠を持つものになった。
  • サーチ・インサイド・ユアセルフは、Google のエンジニアの業務や日常生活でも役に立つ実践的な内容になった。
  • サーチ・インサイド・ユアセルフでは、瞑想で使われる伝統的な言葉も、エンジニアでも理解できるわかりやすい言葉に置き換えることになった。

Google では、2007年以来、この2日間のプログラムが社員に提供されてきました。このプログラムの内容は評判を呼び、多くの受講者が、このプログラムが仕事と私生活の両面で人生を変える経験となった、とフィードバックしたそうです。

2012年、プログラムを開発した人たちによって、独立した非営利団体 SIYLI (Search Inside Yourself Leadership Institute) が設立されました。この組織によって、Google 以外の組織や一般の人にも「サーチ・インサイド・ユアセルフ」のプログラムが提供されるようになりました。プログラムの改良、普及、講師育成もこの組織に引き継がれました。

サーチ・インサイド・ユアセルフのプログラムの内容は、最新の科学的な知見を取り入れて、定期的にバージョンアップされています。

プログラムの目的

このプログラムでは、マインドフルネスやエモーショナル・インテリジェンスを学ぶことにより、次の効果を上げることを目的としています。

  • 参加者のリーダーシップ(周囲への影響力)を高めること
  • 参加者や組織の生産性を高めること
  • 参加者の幸福や心の健康を高めること

プログラムで学ぶこと

サーチ・インサイド・ユアセルフの2日間プログラムで学ぶことは、以下のとおりです。

エモーショナル・インテリジェンス (EQ)

エモーショナル・インテリジェンスは、「感情に関する知性」、あるいは「心の知能指数 (EQ) 」とも呼ばれます。簡単にいうと、「自分や他人の感情を理解して、そこから得られる情報を行動の指針にする能力」のことです。

このエモーショナル・インテリジェンス(EQ) は、頭の良さ(IQ) とは別の概念です。頭がいい人のエモーショナル・インテリジェンスが高いとは限りません。

エモーショナル・インテリジェンスは、リーダーシップを発揮し、自分のモチベーションを保ち、他の人への共感力を発揮してチームの生産性を上げるために大切な能力です。

サーチ・インサイド・ユアセルフでは、このエモーショナル・インテリジェンスの5つの要素を順番に学んでいきます。

  • 自己認識: 自分の内面の状態、自分にとって大切なもの、自分の強みなどを理解するということです。他のエモーショナル・インテリジェンスの要素の基盤となるものです。自己認識を深めるためのツールとして、マインドフルネスを実践します。
  • 自己管理: 衝動的に反応するのではなくて、その時の最適な選択肢を選んで行動するための具体的な方法を学びます。
  • モチベーション: 自分で仕事のモチベーションを作り、落ち込んでも回復する方法を学びます。
  • 共感力: 他者への共感力を向上することによって人間関係を改善し、チーム内の「心理的な安全性」改善に貢献します。これはチームの生産性向上にも繋がります。
  • リーダーシップ: エモーショナル・インテリジェンスの観点から特に重要なリーダーシップの2つのスキルである「難しい会話をこなす」ことと、「思いやりをもって人に接する」ことを学びます。

脳科学

学習する内容の裏付けとして、最新の脳科学の研究を紹介します。たとえば、マインドフルネス瞑想によってどのような効果があるのか、衝動的な反応をする時に脳で何が起こっているのか、などです。

脳科学」のリンクにいくつか、具体的な例を挙げています。ご参照ください。

マインドフルネス

マインドフルネスとは、「今、ここ」で起こっていることに気がつくということです。自分の呼吸や、思考、感情など、「今、ここ」で起こっていることに注意を向けることによって、うわの空の状態から、マインドフルネスの状態にシフトします。

2日間のプログラムでは、エモーショナル・インテリジェンスの実践方法として、マインドフルネス瞑想のやり方を学びます。

サーチ・インサイド・ユアセルフの特徴

サーチ・インサイド・ユアセルフの主な特徴は、次のとおりです。

体験から学ぶことを重視

講師によるプレゼンテーションの時間は全体の1/3で、残りの2/3は実践的な演習の時間です。演習や他の参加者との対話などの体験から学ぶことを重視しています。

すぐに使える実践方法

モチベーション、共感力、リーダーシップなど、職場や家庭で役に立ち、すぐに使える様々な実践方法を学びます。

学んだことを定着させるための仕組み

2日間の教室形式のプログラムで学んだことを定着させるための仕組み「28日間チャレンジ」が用意されています。28日間チャンレンジの参加者には、毎日、電子メールで短い音声ガイダンスと課題が送付されます。

対象者

サーチ・インサイド・ユアセルフは、2日間の研修で20名-80名程度の参加者を想定します。以下のような研修に適しています。

  • シニア・マネージャー、エグゼクティブ向け研修
  • 特定のチーム向けの研修
  • 新任マネージャー向け研修
  • 非管理者向け研修
  • 新人社員向け研修

参加にあたって

  • 参加の前になにか準備したり、勉強したりする必要はありません。
  • 筆記用具とノートを持参する必要があります。
  • 2日間のプログラム中は、マインドフルに過ごすため、できるだけパソコンやスマホを遠ざけるように勧められます。
  • 動きやすいカジュアルな服装での参加が勧められます。

プログラムの実施

マインドフルネス・イニシアティブでは、企業や団体に向けて、サーチ・インサイド・ユアセルフの2日間プログラム、あるいは、その短縮版を提供いたします。

詳細は、プログラムのページをご参照ください。

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