泳ぐ瞑想

プールで長時間かけて泳ぐのは、よいマインドフルネス瞑想になるのではないか、と思っていました。ところが、やってみると、実際には難しかったです。

ここでは、私の泳ぐ瞑想(マインドフルネス・スイミング)の体験を紹介します。

1. なぜ泳ぐ瞑想をやりたいか

マインドフルネスストレス低減法(MBSR) では、座る瞑想歩く瞑想、食べる瞑想、ボディスキャンマインドフルネスヨガなど、様々なマインドフルネス瞑想の方法を学びます。

また、これ以外にも、日常生活の中で、マインドフルに五感で感じながら何かをやってみることを勧められます。

私は水泳が好きなので、水泳をしながら瞑想をしたいと以前から思っていました。プールでの長距離水泳は、リラックスした姿勢で同じ動作を繰り返すので、瞑想に適しているのではないか、と思います。泳いでいる間は他にやることもないですし。

以前に、長距離水泳をしている時、泳ぐ瞑想を試した時期がありましたが、どうしてもうまくいきませんでした。その後、肩を痛めてしまって、しばらく水泳は控えていました。

その後、肩の調子がよくなったので、また、泳ぐ瞑想を試しています。

2. 泳ぐ瞑想が難しい理由

2-1. 視覚の影響

クロールで泳いでいると、ほとんどの時間はプールの底の模様やラインを見ているのですが、息継ぎをしたり、ターンをしたりするたびに隣のコースの様子やプールサイドの様子が一瞬、視界に入ります。

この時にいろいろな雑念が巻き起こります。特に人の様子が目にはいると、顕著です。

隣のコースの人は私よりも早いか遅いかとか、プールサイドで歩いている人は何をしようとしているのか等、一瞬の間にいろいろなことが頭の中に浮かんできます。

泳ぐ瞑想が難しい一つの理由は、このように、視界が高速で動くことだと思います。また、途中で立ち止まることができないので、歩く瞑想のように、雑念が去るのを立ち止まってじっと待つこともできません。

2-2. 身体をゆっくり動かすことが難しい

歩く瞑想やマインドフルネスヨガでは、ゆっくりと身体を動かすことでその感覚を観察することができます。

ところが、水泳、特にクロールで泳いでいる時は、ある程度のスピードで泳がないと身体が沈んできますし、息継ぎがうまくできません。

泳ぐ瞑想をするときに、身体の感覚を観察から始めようと思っても、そういう事情でなかなかうまくいきません。

2-3. 呼吸の観察が難しい

私は、座る瞑想をしている時には、呼吸をお腹の筋肉の収縮で観察するようにしています。ところが、泳ぐときには、これが難しいです。胸やお腹の筋肉は泳ぐための運動に使われているからだと思います。

クロールで泳いでいる時は、水中で鼻の穴からブクブクと呼吸をはいて、直後の息継ぎの一瞬で口から息を吸い込みます。

この鼻の穴からブクブク息を吐いている時が、クロールで泳いでいる時に呼吸を観察するよい機会です。

  • ブクブクの直前: これからブクブク息をはくぞ、という意識を持つ
  • ブクブクの最中: ブクブクの感覚を細かく観察する

3. 私の泳ぐ瞑想のやり方

試行錯誤の結果、今は次のやり方で泳ぐ瞑想をやっています。

  1. まず、水泳の前に、肩や腰、膝をマインドフルにゆっくり動かして身体の調子を観察します。もし、調子が悪いようなら、水中歩行に切り替えます。調子が良ければ、まず、ケノビの練習を往復(50メートル)やります。
  2. 50メートルを60秒のペースで、45分間クロールで泳ぎます。途中で肩が少しでも痛くなってきたら、すぐに中止します。無理をして練習したいという気持ちが起こってきたら、そのような気持ちを観察します。
  3. 最初にプールの壁を蹴って、ケノビをしている間に、瞑想をする意志を確認します。瞑想をしていることを忘れていたらターンの度に思い出します。
  4. キックはツービートで、呼吸時の顔の向きは、右、右、左、左、を繰り返します。これは、肩の負担を左右で分散するためです。途中で息継ぎのリズムが変わるので、マンネリを防ぐこともできます。
  5. 泳ぎ始めて最初の10分は、呼吸に意識を集中します。鼻からブクブクと息を吐く直前にこれから息を吐くことを意識します。さらに、息を吐きながら鼻の感覚を観察します。
  6. 呼吸で顔を上げるときやターンの時には、できるだけプールサイドを見ないようにします。
  7. 雑念が起こったことに気が付いたら、次の呼吸で「今、ここ」に戻ります。
  8. 観察の対象は、10分おきに変えていきます。
    • 最初の10分: 呼吸(鼻の穴からのブクブク)
    • 次の10分: 身体全体の感覚(皮膚の水流や筋肉の動き)
    • 次の10分: 音(ピチャピチャ、ゴーゴーという水の音)
    • 次の10分: 思考や感情の動き
    • 最後の5分: 何も選択しない瞑想(観察の対象を選ばず、意識に上るものすべて)

まとめ

私の場合、鼻からブクブクと息を吐く前に、「これからブクブクと吐くぞ」ということを意識することで、泳ぐ瞑想のきっかけをつかむことができました。

この泳ぐ瞑想の練習をすると、とても短い時間に雑念が数多く起こっていることに気づきます。

泳ぐ瞑想を長時間続けるのは難しいと思いますが、マインドフルネスをある程度習得していると、やりやすくなるかもしれません。マインドフルネスの習得には、マインドフルネスストレス低減法(MBSR) の8週間のコースに参加されることをお勧めします。

日本で参加可能なマインドフルネスストレス低減法のコース