心の中を観察する方法

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マインドフルネスでは、まず、呼吸や体の感覚の観察を行いますが、これに慣れてくれば、心の中を観察できるようになります。

ここでは、心の中で起こっている思考や感情を観察するとはどういうことか、また、その方法を説明します。

心の中を観察するとはどういうことか

そもそも、自分の心が、その心の中で起こっていることを観察できるものでしょうか? この能力は、心理学の世界では、メタ認知能力と呼ばれていて、誰でも5‐6歳になるとこの能力が備わり、成長とともに発達するそうです。

誰かに、「今何を考えていたの?」と問われると、その時に考えていたことを答えられますね。これが自分の心の中を観察するということです。

ただし、自分の心で起こっている現象を客観的に観察するのは、簡単ではありません。

小鳥の声が聞こえたときは、これを自分のものだとは思いません。ところが、思考や感情は自分のもの、自分そのものと考えがちです。

その考えや感情を正当化しようとしたり、守ろうと思ったりします。

実際には、心で起こっていることは、脳で起こっている物理現象なのです。

brain

なぜ、心の中を観察するのか

嫌な人のことが心に浮かぶと、その人との嫌な会話や、嫌な出来事が思い出されて、腹が立って、さらに、嫌な出来事を思い出して、さらに腹が立つといったことがありませんか?

ネガティブな考えや感情は、無意識のうちに連鎖して、次々とネガティブな思考や感情を引き起こします。これは、ストレスとなります。

心で起こっている思考や感情を、「今、ここ」で起こっている現象として観察の対象物とすると、この連鎖反応が止まり、やがて心から消えていきます。これで有害なストレスを減らすことができます。

心の中を観察する方法

まず、呼吸と体の感覚の観察

 マインドフルネス瞑想では、まず、呼吸や体の感覚を観察する練習をします。

呼吸や体の感覚を観察をしていると、いつの間にか、心が観察の対象からはなれて、別のことを考え始めます。ここで、心が観察の対象から離れたことに気が付いて、呼吸や体の感覚などの瞑想対象に意識を戻します。この練習を繰り返し続けることが、心の中を観察するための良い準備練習になります。

マインドフルネスストレス低減法では、まず、ボディスキャンマインドフルネスヨガを通じて、呼吸や体の感覚の観察をする練習をします。このほうが、特に体の感覚の観察がやりやすいからです。

その後、座る瞑想で、呼吸や体の感覚の練習をします。

sitting meditation

心に意識を向ける

座る瞑想で、呼吸や体の感覚を観察して心が平静になってきたら、自分の心で起こっている思考や感情を観察してみます。

心が騒いで思考や感情の観察が難しいと感じたら、呼吸や体の感覚の観察に戻って、心が平静になるのを待ちます。

何も考えが浮かんでこない時は、無理に何かを考える必要はありません。その時には、何も思考が起こっていないことを観察して、思考が起こってくるのを気楽に待ちましょう。

思考を観察する

思考の観察といっても、普通は、思考に引き込まれてしばらく立ってから、その思考に引き込まれていたことに気づくものです。

ただし、心がとても平静なときは、様々な思考が次々と心に沸き起こって、短い時間で消えていくことを観察できるかもしれません。

思考が起こっていることに気が付いたら、その思考にとらわれないように気を付けながら、その思考を観察してみましょう。様々な種類の思考が心で起こっています。

たとえば、うれしかったことや腹が立ったことを思い起こしていたり、自分を正当化しようとしていたり、自分の希望の成就を妄想したりしています。

その思考が好ましいとか、嫌なものとか、良いとか悪いとか、価値判断することなしに、ありのままに観察します。優しい気持ちと好奇心を持って観察しましょう。これは、思考の連鎖反応を起こさないためです。

ありのままに観察していると、思考は連鎖を起こすことなく、やがて消えていきます。

思考は、様々なことが引き金となって起こります。その時に聞こえた音や体の感覚などの刺激が思考を引き起こすこともありますし、思考が別の思考の引き金となって次々と連鎖を起こしていくこともあります。

何が思考の引き金になっているのかは、とても興味深いことですが、そのことを追求すると、また、考えに引き込まれてしまいます。なぜその思考が起こったのかを考えるよりも、その時の思考そのものを観察するようにしましょう。

感情を観察する

思考には、たいてい、感情がくっついています。

たとえば、妄想しているときは楽しい気持ちがくっついていますし、誰かを評価しているときには、怒りがくっついているかもしれません。他にも、不安、孤独、後悔、感謝、共感など、さまざまな感情が、思考とともに心に現れてきます。

思考に感情がくっついている場合は、あえて、その感情だけを観察してみましょう。感情がどのような感覚を心と体に引き起こしているか、観察します。

感情は、体の感覚によく現れます。

たとえば、怒りは顔が熱くなったり、不安は胃のあたりがおもくなったり感じることがあります。その感情に飲み込まれないようにしながら、感情を心や体の現象として観察してみましょう。

感情も、価値判断抜きに、ありのままに観察することができれば、やがて、消えていきます。

もし、激しい感情に襲われて、感情の観察が難しいようなら、感情の観察は取りやめにして、一旦、呼吸や体の感覚の観察に戻ります。

心が落ち着いてから、もう一度、感情の観察を試してみましょう。

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まとめ

ここでは、心の中の思考や感情を観察する意味や方法を説明しました。ネガティブな思考や感情が連鎖してストレスを感じているときは、このやり方が役に立つと思います。

心の中を観察することは、マインドフルネス瞑想の中でも、やや難度が高い瞑想法だと思います。マインドフルネス瞑想を体系立てて習得するには、マインドフルネスストレス低減法の8週間のコースに参加されることをお勧めします。