MBSR(マインドフルネスストレス低減法)などで学ぶマインドフルネス瞑想のやり方として、2種類の方法があります。
- ある特定の対象に意識を集める
- 今感じていること全てに意識を広げる
この記事ではその2つの瞑想方法の違いと共通点、どちらを選んで実践すればよいかを説明します。
2つの瞑想方法の違いがよくわからない方、どちらを選べばよいのか悩んでいる方に有益な情報です。
2つの瞑想方法とは
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)では、まず、ボディスキャンを通じて、体の各部分の感覚や体全体の感覚を観察することを学びます。また、コースが進むにつれて、呼吸、体の感覚、音、心の中の思考や感情を観察する方法を学びます。
そして、最終的に、何も対象を定めない瞑想を学びます。この瞑想は、choiceless awareness (何も選ばない意識)とも呼ばれます。
2つの瞑想方法をまとめると、次のようになります。
瞑想の方法 | 瞑想の対象となるもの |
---|---|
1. 特定の対象に意識を集める | 呼吸、体の感覚、音、心の中の感情や思考 |
2. 今感じていること全てに意識を広げる | 今感じているものすべて(特定の対象を定めない) |
2つの瞑想方法の違いと共通点
2つの瞑想方法は、全く別の瞑想方法のように見えます。たとえば、瞑想を始めるときには、意識を向ける方向が異なります。1つ目の瞑想は、体のどこかに意識を集めるのに対して、2つ目の方法では、体の感覚だけではなく、音や思考などすべての知覚に意識を広げます。
その一方で、この2つの瞑想方法には共通点があります。その結果、瞑想を続けていると、同じ瞑想をしていると思えてくるのです。その共通点とは、次のようなことです。
- 意識には範囲がある: 一点に意識を向ける場合も、完全に一つの点に注意を向けることはできません。お腹で呼吸を感じることを観察していても、お腹の近くの一定の範囲の感覚を観察しています。その一方で、すべてのことに意識を向けようとしても、ある程度限定された範囲でしか意識を向けることができません。つまり、いずれの瞑想方法も一定の意識の範囲があります。
- 意識の焦点とその背景の感覚: 一点に意識を向けていても、瞑想を続けていると、意識の背景で、体の感覚や思考、感情を感じます。一点に意識を向け続けていると、次第にすべての感覚を観察する瞑想と似た感覚になってきます。
- 心の動作が同じ: いずれの方法で瞑想をしても、いつのまにか、心が瞑想の対象から離れて、なにかの考えや感情にとらえられてしまうことに気づきます。その思考や感情に気がついて、瞑想の対象に意識を戻す、という心の動作が共通しています。
それで、どちらを実践するか
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)では、まず単純な「一点に意識を集める」瞑想の練習をして、慣れてきてから、「今感じること全てに意識を広げる」瞑想を練習します。
自分でマインドフルネス瞑想を実践するときには、2つの瞑想法を自分で試してみて、自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。
私の場合、座る瞑想をするときには、ずっと、呼吸に意識を向けるようにしています。その方が、心が離れていったときに、意識を戻しやすいからです。
それでも20分程度、続けて瞑想をしていると、呼吸以外の様々な感覚、体の感覚や音や思考・感情など、が意識の背景で感じられてきます。つまり、自然と「今感じていること全てに意識を向ける」瞑想にいつの間にか近くなっていきます。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)のコースの参加方法は下のリンクをご参照ください。

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