歩く瞑想は、マインドフルネスの実践方法の方法の一つですが、これをプールの中、つまり水中で実践することもおすすめです。ここでは、自分の体験をもとに、マインドフルに水中で歩く瞑想の意義や方法を説明します。
なぜ「水中で歩く瞑想」なのか?
自分は水泳が趣味で、よく泳ぐ瞑想をプールで実践しています。ところが、最近、左肩に違和感を感じるようになったので、しばらく水泳はお休みして、水中歩行しながら瞑想を実践しています。すると、水中での歩く瞑想には、様々な利点があることに気が付いたのです。
泳ぐ瞑想よりも瞑想しやすい
泳いでいるときは、視界がぐるぐると動いて様々な雑念が呼び起こされます。また、息継ぎの関係で呼吸を観察することが難しいです。正直言って、水泳は瞑想には向いていません。
ところが、水中で歩く瞑想を行うと、視線を反対側のプールの壁に固定できるので、視線が動いて雑念が起こることも減りますし、呼吸も自然な呼吸を続けて、これを観察することが可能です。
水中で歩いていても、足の裏でプールの底のコンクリートの感覚を明確に感じることができます。足の裏だけではなくて、両腕や両足、あるいは体中の皮膚で水流を感じることもできます。
故障や障害があってもやりやすい
水中では浮力が働きますので、体重をささえる負担が軽減されます。足首や膝、腰、背中、肩などを痛めていて、陸上では歩くのが難しい人でも、水中ではずっと楽に歩けます。
私には肩に違和感がありましたが、腕が水中に入ることで肩にかかる腕の重みの負担が減りました。
さらに、私には、耳管開放症といって、耳と鼻の間の管が開きっぱなしになってしまう既往症があるのですが、水中にいるときには、この症状もほとんど出ません。
陸上で歩く瞑想をゆっくりやろうとすると、片足立ちをすることになるので、足腰にかなり負荷がかかります。水中では片足で立っても、そのような重力の負荷がかかりません。
負荷をかけることもできる
水中歩行をしながら、腕を前後左右に振ったり、足を広げたり上げたりすることで、水流を感じながら負荷を増やすこともできますし、関節の可動域を広げる運動もできます。瞑想と運動を同時に行うことができます。
水流による負荷は、腕や足を動かす速度は大きさで簡単に調整することができます。
水中での運動は、水圧や水温が刺激となり、体に良い影響を与えます。
続けやすい
家の中で一人で歩く瞑想を練習するのは、やや億劫です。部屋を行ったり来たりしている姿はゾンビみたいで、家人にも見られたくないです。
ところが、プールで歩く瞑想をするときは、このことは問題になりません。最近のプールでは、水中歩行を実践している人をたくさん見かけるからです。水中歩行専用のコースが用意されていることもあります。プールで歩く瞑想をしていても、だれも瞑想をしているとは気づきません。
プールに行く曜日や時間を決めて歩く瞑想の練習をすれば、歩く瞑想の練習を習慣にすることもできます。
水中での歩く瞑想のやり方
水中での歩く瞑想のやり方の例、次の通りです。
- プールの歩行専用コースの端に立って、足裏の感覚を観察します。さらに全身に感じる水流を感じます。
- 前方の壁の一点に視線を定めます。
- 左右の足裏がプールの底や水流に当たる感覚を観察しながら、プールのコースのもう一方の端まで歩きます。
- プールのコースの端まで来たら、反対向きに体を回転させます。回転時の足裏の感覚を観察します。反対向きになったら、前方の一点に視線を定めて、来た時と同様に歩きます。
- 途中で心が足裏の観察から離れて、別のことを考えていることに気が付いたら、その考えていることを手放して、足裏の感覚の観察に戻ります。
- 観察の対象は、適宜、足裏から別のものに変えてもよいでしょう。たとえば、呼吸、手足、体全体の感覚、音、考えや感情、あるいは何も選択しない瞑想などです。手を前後に振ったり、足を上げたり歩幅を広げたりして歩くと、水流の抵抗で負荷が高くなります。
プールの中は水圧や水温のために意外と疲れやすいです。最初は、5-15分程度の短時間から初めて、徐々に長い時間を試すようにしましょう。

水中での歩く瞑想の残念なところ
水中での歩く瞑想にも、いくつか欠点があります。
- プールでは水の流れやほかの人の動きがあるので、急に立ち止まれない。地上での歩く瞑想では、考えや感情が激しくなってきたら立ち止まって、「山のポーズ」で、落ち着くまで心の中を観察することができるが、プールではやりにくい。
- プールでは足の裏だけでなくて、全身で水流を感じる。これがかえって、集中しずらいと感じることがある。
- プールは多くの場合、有料である。継続してプールで歩く瞑想の練習をするにはコストがかかる。
まとめ
- 水中での歩く瞑想は、陸上での歩く瞑想や泳ぐ瞑想よりもやりやすく、健康にもよいのでお勧めです。
- まず、5‐15分程度の時間、足の裏の感覚に注意して歩くところから始めて、いろいろなバリエーションを試してみましょう。
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