男はなぜ戦争するのか

戦争その他

進化心理学者スティーブン・ビンガー博士によると、戦争を起こす動物は、極めて少ないそうです。人のオスはその稀な例の一つです。

四個体以上が集団をつくって他のオスを攻撃するのは人間とチンパンジーとイルカ、それに多分ボノボだけである。これらが大きな脳を持つ種であるところから、戦争には精巧な心の機構が必要なのではないかと考えられる。

スティーブン・ビンガー著「心の仕組み(下)」 p135

人のオスは好戦的で、どのようなグループ分けをしても、グループ間で敵意を持つそうです。

ムザファー・シェリフの古典的な実験では、情緒的に安定したアメリカの中流家庭の少年を選んでサマーキャンプに招き、それを任意の二つのグループに分けて、スポーツや寸劇で競わせた。するとグループは数日のうちにたがいを襲撃し、棒やバットや石を入れた靴下などで相手を痛めつけ、実験者は少年たちの身の安全のために介入を余儀なくされたのである。

スティーブン・ビンガー著「心の仕組み(下)」 p135

なぜ、人のオスは戦争をしたがるのでしょうか? これも、進化に由来するものだそうです。博士によると、進化の歴史の中で、競合する部族間の戦争が繰り返し行われて、戦争で勝った部族は、負けた部族の男性を皆殺しにして、負けた部族の女性を妻にしてきたそうです。

戦争で勝って生き残れば、戦争で負けた部族の女性を妻にして子供を作って、自分の遺伝子を次の世代に伝えることができます。「戦争に参加したがる」という遺伝子は、このようにして、集団の中で強化されたそうです。

戦争による命の危険が大きくても、戦争に勝つという確信があれば、そして、仲間が同じ危険を冒すのであれば、進化の仕組みの中では問題にならないそうです。大きな危険を伴う戦闘で仲間の男性の大半が死んだとすると、自分に割り当てられる敵方の女性の数が増えて、自分の子孫を残す確率が高くなるからです。

女性は戦争を始めることに関心がないはずだそうです。なぜなら、進化の歴史の中で、男性は敵の部族の女性と交わることによって、自分の遺伝子をいくらでも増やすことができましが、その一方で、女性は、敵の部族の女性を皆殺しにして男性と交わっても、必ずしも、自分の遺伝子を増やすことにつながらなかったからです。女性は自分の子供一人につき、男性と比べると大変な手間がかかるというのがその理由です。

男性の「戦争をしたがる」という性格は、進化の歴史の中で発達したものなので、現代の男性でも、遺伝子に組み込まれて、生まれつき持っているものです。このような暴力への志向は、現代社会では、社会倫理、法律、教育を通じて、多くの場合抑制されていますが、そうでない場合もあります。とても。恐ろしいことです。

私としては、このような恐ろしい遺伝子・欲求が自分に備わっていることを認識した上で、うまく対処したいと思います。その方が、無意識のうちにこのような欲求が吹き出すのを防ぐことができると思います。

そのための具体的な方法が、マインドフルネスの実践です。

この記事を書いた人
しげき

1963年生まれ。大阪市出身。京都大学法学部卒。KDDIやマイクロソフトなど、30年以上、IT業界で営業・マーケティングを担当した。
2007年からマインドフルネス瞑想を継続して実践する。
2018年にセミリタイアし、マインドフルネスの講師となる。MBSR認定講師。SIY認定講師。

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