MBSR(マインドフルネスストレス低減法)は、8週間のプログラムです。マインドフルネスの習慣を身につけるには、8週間の期間がかかるとされているからです。なぜ、8週間もかかるのでしょうか?
マインドフルネスを長続きさせるには一定期間の練習が必要
マインドフルネスとは、「今、ここ」で起こっていることに気が付いているということです。
「今、ここ」で起こっていることに意識を向けることによって、過去や未来のことで悩むことから来るストレスを減らすことができます。マインドフルネスの習慣はストレスを減らす効果があるのです。このことは数多くの臨床試験で実証されています。
マインドフルネスは、いつでも簡単に実践できます。例えば、呼吸を観察することによって、意識を「今、ここ」に向けることができます。
ところが、マインドフルネスな状態は長続きしません。
試しに、呼吸に注意を向けてマインドフルネスの実践を続けていると、1-2分もすれば、別のことを考え始めています。「あの人は今どうしているだろう?」とか、「夕ごはんに何を食べよう」とか、いつの間にか「今、ここ」で起こっていること以外のことを考えています。呼吸に注意を向けていたことを忘れてしまうのです。
マインドフルネスを長続きさせるためには、一定期間、マインドフルネスの練習を継続する必要があるのです。
マインドフルネスの実践は、自転車に乗ることと似ていると思います。

自転車に乗れない人が自転車に乗ろうとすると、一瞬だけ自転車の上に乗っかることができますが、すぐに自転車は倒れてしまいます。
自転車に続けて乗れるようになるには、自分の身体を使って練習することが必要です。どんなに本を読んでも、人の話を聞いても自転車に乗れるようにはなりません。
しかし、いったん自転車に乗るコツを身につければ、長い間乗っていられるようになります。それから、必要があればいつでも、自転車の乗ることができますし、大抵の場合、一生、乗り方を忘れるということはありません。
マインドフルネスについても、自分の身体と心で、そのやり方を習得する必要があります。習得には時間がかかりますが、一旦習得すれば、いつでも、ストレスを感じたときに活用できますし、一生、やり方を忘れることはないでしょう。
なぜ8週間なのか?
マサチューセッツ大学医学部のマインドフルネスセンターでは、MBSR(マインドフルネスストレス低減法プログラム)を、1970年代から実施してきました。このセンターでの経験や実績を通じて、マインドフルネスの習得には、8週間の期間、継続してマインドフルネス瞑想を練習する必要がある、とされています。
科学的な根拠
ハーバード大学の研究によると、8週間のMBSR(マインドフルネスストレス低減法)に参加することにより、脳が実際に変化していることが検証されています。
8週間のコースに参加した人は、参加する前と比べて脳の「海馬」と呼ばれる部分が肥大していたそうです。この部分は、学習、記憶をつかさどり、自我、愛情、内省にかかわりがあります。また、脳の「偏桃体」と呼ばれる部分が薄くなっていたそうです。この部分は不安やストレスと関係があるといわれています。
また、ウィスコンシン大学の研究では、8週間のMBSR(マインドフルネスストレス低減法)に参加することにより、免疫機能が向上していることが検証されています。
その他、多数の臨床試験により、8週間のマインドフルネスストレス低減法の効果が確認されています。
マインドフルネスの練習方法
マインドフルネスの実践方法を習得するには、8週間のMBSR(マインドフルネスストレス低減法)のコースに参加することをお勧めします。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)では、8週間かけて、ボディスキャン、マインドフルネスヨガ、座る瞑想、歩く瞑想など、様々なマインドフルネス瞑想を継続して実践します。

まとめ
マインドフルネスの習得のためには、マサチューセッツ大学での40年近くにわたるMBSR(マインドフルネスストレス低減法)プログラムの経験から、8週間の期間がかかることがわかっています。
8週間のプログラムに参加することによって、脳の海馬や偏桃体に変化が表れていることがハーバード大学等の研究で実証されています。
マインドフルネスを効果的に習得するためには、MBSR(マインドフルネスストレス低減法)の8週間のコースに参加されることをお勧めします。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)のコースの参加方法は下のリンクをご参照ください。
